都市ガス、家庭用コンロで作ります。
はじめに
中華鍋は鉄で作られていて慣れないと扱いが難しい調理器具の一つです。
これは、鉄が錆びやすいため下処理が必要なこと、常に高火力で調理が必要なこと、鉄製品はくっつきやすく慣れるまで時間が必要なことなど、ぱっと思い浮かべるだけで微妙な点はいくつも出てきます。また、家庭用コンロの火力は、業務用の1/3程度どいわれているため、高火力を活かした中華料理を作ることはできないと言われています。
しかし、鉄の熱伝導の良さ、耐久性、あおりやすい構造で料理をするのが楽しくなる製品です。こういったメリットに着目して、家庭で楽しく使うことを目的にして、今回は中華鍋でそこそこ美味しいチャーハンを作る解説をします。
鉄製品の下処理やメンテナンス
新品の鉄製品を使う場合、油慣らしという儀式が必要です。
一言でいうと、防錆剤を焼き切るか紙やすりで落とし、油を酸化させた樹脂層を表面に作ります。
詳しくはこちらの記事を参考にしていただけたらと思います。
表面に樹脂層が完成したら普通のフライパンと同様に使えます。使用後に洗剤を使ってもOKです。よく、洗剤NGと見かけますが、加熱するとはいえ洗わないのって衛生的にどうなんでしょうね。
調理中に焦げつかずに使用するには、油返しでちゃんと油を加熱する必要があります。
文献値とこれまでの経験値から、200℃くらいまで加熱していればくっつくことはありません。どうしてもくっついてしまうという方は、非接触式の温度計で測定しながら料理しましょう。
こういったものが一つあると大変便利です。厳密な温度測定ではなく、目安として使うには十分です。
チャーハンの作り方
〇機材
中華鍋
お玉
家庭用ガスコンロ(都市ガス)
赤外式温度計
〇材料(2-3人分)
ご飯 1合分
ハム 50g(4枚程度)
卵 2個
ネギ 20g
顆粒だし 小さじ1
塩コショウ 小さじ1/2
油 大さじ3
醤油 小さじ1/2
〇工程
1.食材は下ごしらえしたものを違う容器に入れておく
2.鍋に油を大さじ2加えしっかり加熱して全体に油を回す
3.卵を入れ軽く混ぜる
4.ハムを入れ軽く混ぜる
5.ご飯を入れ、お玉でご飯を叩いての壁面に伸ばしつつ、鍋を煽り炒める
6.調味料を加え鍋を煽り全体に味が馴染むようにする
7.ネギを加え鍋のふちに醤油を垂らし鍋を軽く煽ったら完成
ざっくりとした工程はこんな感じです。それでは詳細な作り方やコツを含めて紹介します。
まず、食材の下ごしらえから。
チャーハンは比較的高温で調理します。一般的に化学反応は高温程早く進行するため、手間取っていると米に粘り気が出たり焦げ付いたりしてしまいます。具材の調整や調味料を探したり軽量したりせず、さっと加えられるようにあらかじめ用意しておきましょう。
ハムは小さく切っておきます。1cm角かそれよりも気持ち小さいくらい。ネギは細かく刻んでおきます。卵は割って混ぜません。調味料は塩コショウと顆粒だしを同じ容器に入れておきます。
ご飯は炊きたてのものやレンジで温めたものを用意します。パラパラにするために冷たいご飯を入れたくなる気持ちもわかりますが、冷たいご飯を鍋に加えると、鍋の温度が下がり、ご飯がくっつくことが多くなります。
なので、ちゃんと温かいご飯を用意しましょう。ご飯には油を大さじ1かけておきます。パラパラになるおまじないです。
それでは鍋を加熱します。
鉄のフライパンや鍋はくっついて使いにくいと言われていますが、これは鍋の温度が低いためです。ちゃんと加熱して200℃程度になればくっつくことはないので非接触式の温度計で測定しながら加熱するのがオススメです。
火加減は中火にします。強火にすると、センサーが熱を検知する前に鍋の温度が上がりすぎるため、表面のコーティングが焼き切れてしまいます。
中火にして全体に油を回すと中心部の温度は240℃くらい、外側は180-200℃くらいになっています。
これくらいになったら調理開始です。
まず、卵を入れます。卵は溶かずに入れると黄身の色が強く出る部分がでるため、美味しく見えます。
軽く混ぜたらハムを加え、ご飯を加えます。
お玉でご飯を叩きながら薄く伸ばしていき、鍋をふってよく混ぜます。
数回繰り返せばご飯はパラパラになります。
パラパラになったら調味料を加えよく鍋を煽り味を調整します。濃い味が好みの方はここである程度調整します。
よく混ざったら最後にネギと醤油を加えます。
ネギは余熱で火を通すくらいで十分です。醤油は鍋のふちから垂らして香りをつける程度にします。ふちに滴々垂らしながら一周するくらいにしておきます。
鍋のふちに垂らすことで良い香りが付きます。多すぎると醤油臭くなってしまうので、量には注意が必要です。
ネギをよく混ぜたら火をとめて完成となります。もりつけて熱いうちに食べましょう。
ご飯はパラパラで美味しいチャーハンの完成となります。
おわりに
中華鍋は家庭で使うには火力が足りないと言われていますが、極端に温度の低いものを入れたり水分の多すぎるものを入れたりして温度を下げすぎなければくっつくことはありません。
なんどやってもくっつくという方は放射温度計を使って鍋の温度を測りながら料理してみてもいいと思います。
中華鍋自体に扱いにくさがあるかもしれませんが、あおりやすいので炒め物を作るのが楽しくなります。慣れてしまえば簡単に扱えるので迷わず買いましょう。
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