中華鍋が錆びないように油の重合物でコーティングします。
はじめに
鉄のフライパンや鍋は、重い、錆びる、くっつくと扱いにくい扱いにくい三銃士がもれなくついてきます。
家庭ではなく愛好家向けといった感じでしょう。
しかし、テフロン製品にはない魅力もあり、慣れれば使いにくい三銃士の方達とはオサラバ可能です。鉄製品は、熱伝導、蓄熱性、耐久性抜群、錆びても再生可能で文字通り一生物なので道具を大事にしてしっかり料理をしたい人にはぴったりの製品と言えます。
今回は、中華鍋を一気に育てて使ってみます。
鉄のフライパンや鍋の育て方
鉄のフライパンや鍋は材質が鉄です。鉄は酸化しやすく、水や塩類があれば数時間で錆びてしまいます。
それを防ぐため、新品に対して油慣らしと呼ばれる儀式が行われます。
一般的に次の2工程からなります。
1.加熱して表面をマグネタイトにする
2.油を加熱、酸化重合させコーティングを作る
新品は表面に防錆剤が塗られていることが多いので、加熱して焼き切ると同時に表面をあらかじめマグネタイトという酸化鉄の状態にしたのち、油の重合物によるコーティングを作るというものです。
詳しくはこちらをご覧ください。
今回、防錆剤は紙やすりで落とすだけにして油のコーティングを作るのみのします。
中華鍋の育て方
新品はこちら。
表面には錆止めが塗布されています。
通常、加熱して塗料を焼き切るわけですが、今回は紙やすりで落とします。200番で十分。
紙やすりでしこしこ磨いたのがこちら。
今回は、焼いて表面をマグネタイトにせず、そのまま加熱して油を重合させます。
加熱を始めると油が重合して色が変わっていきます。
油を塗布して加熱してを数回繰り返すと鍋は黒っぽくなってきます。
完成品がこちら。コーティングはこれで終了です。
高火力で一気に重合を進めると、火のあたっている部分だけ加熱され、油の重合物は焼き切れてしまうので加熱のし過ぎは注意です。
焼き切れると表面はきれいさっぱり。油を塗った跡すら確認できなくなります。中華鍋は火力といわれますが、程々の温度というのがありそうです。
高温で一気に重合を進めるよりも、火にかけてゆっくり重合させたほうが黒色に近づいていくような気がしますね。
いったん、下準備はこれでおわりです。
こうすれば洗剤で洗おうと問題ありません。鉄のフライパンを育てる論争にある、洗剤の使用について、悩まされることは消えます。
中華鍋の五徳
中華鍋を家庭用のコンロで使うと安定せずグラグラしてしまいます。そのため手を話してしまうとひっくり返してしまう恐れがあります。また、調理中は鍋が高温になるため危険です。
対策として専用の五徳をつかいましょう。このような製品があります。
家庭用のコンロに取り付けるといった製品が販売されています。設置は簡単で目印に合わせて乗せるだけです。製品には溝があり、これが既存の五徳と噛み合う形になっています。
製品はこちらのリンクからどうぞ。
うちの中華鍋との相性がイマイチで鍋底にセンサーが触れなかったため、溝をヤスリで削って触れるように調整して使っています。
おわりに
中華鍋も鉄製品なので鉄のフライパンを育てる方法とほぼ同じ育て方をして錆を防ぐことができます。
疑問点だったマグネタイトの表面を作る工程は省いていますが、今のところ何も問題がありません。従って、マグネタイト自体がくっつきやすさや焦げ付きに影響していることはないと考えられます。
調理前に煙が出るまで加熱してから調理すればくっついたり焦げ付いたりすることなく使用できます。非接触温度計で測定すると、250℃前後に達していれば十分でしょう。
ただし、チャーハンを作る際、一度に米を多く入れすぎたりすれば鍋の温度が下がりくっついてしまうので注意が必要です。
使用するときは、鍋に入れる食材の量を調整して下さい。
使用した中華鍋は山田工業所の物です。
使用するオススメの油はハイオレックタイプのベニバナ油やグレープシードオイルといった不飽和脂肪酸の含有量の高い油です。
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