市場に出回らない幻の果物。味は品種によって大きく分けて2系統あり、ねっとり香りの強い系統とさっぱりして食べやすい系統の2種類あります。
森のカスタードクリームなんて呼ばれるだけあり、しっとりとしたなめらかな食感と甘み、独特なトロピカルフルーツ系の香りは大変美味しいものです。
はじめに
ポポーという馴染みのない果物は、北米原産で明治期に日本に入ってきました。戦前は栽培が推奨され、日本の各地で栽培されており、年配の方は庭や畑にあったという方もいます。
当時、食べた人の中には、ポポーは美味しくなかったという方がいます。ポポーは収穫時期の見極めが大変難しく、未熟でもちょっと熟しすぎていても味が落ちてしまうようです。また、当時の品種はおいしくなかったこともあり、ポポーはまずかったという方が一定数います。
現在、品種改良がすすみ大変美味しくなりましたが、あまり日持ちせずに痛むのが早いため流通に適さず市場に出回りません。そのため、幻の果物と呼ばれています。
ポポーの外観
こんな感じ。
アケビに似た外観をしています。大きさは、握りこぶしと同じくらいです。食べごろの目安は優しく握ったときにほんのり柔らかくなっているくらいだそうです。
これはちょうど食べごろでした。
ポポーの食べ方
ポポーはものすごく美味しいそうな匂いですが皮がものすごく苦いため、かぶりついて食べることはできません。
オススメの食べ方は2つ。
ひとつめは一般的な果物と同じように皮をむいて切って食べるものです。
皮は薄く果物ナイフでスイスイむけますが、ちょっと熟した柿のようにヌルヌル滑るので落とさないように注意してください。
皮をむいたら適当にカットします。輪切りにしてもいいし、食べやすい大きさに切りましょう。
もうひとつはキウイフルーツのように輪切りにしてスプーンで食べるものです。
輪切りにしてスプーンで食べます。
実が熟していればスプーンですっと果肉をすくえるので手を汚さずに食べることができます。ただし、体温が移ってしまいぬるくなると味はイマイチ。美味しく食べるならちゃんと冷えている状態で食べたほうがいいでしょう。
ポポーの味
早速食べてみました。
ポポーは美味しくないと聞いていましたが、とっても甘い。そんでもって種の周りのぬるっとした食感が面白い。味は食べたことがない味なので例えるのが難しいですが、食感が柔らかく崩れかけた柿やバナナ、柔らかいアボカドのようなねっとりとした感じでとても甘く、トロピカルフルーツ独特の香りがします。トロピカルな香りがあんまり好きじゃないんだけど、これはすごく美味しかった。
皮が薄く食べれそうだなと思ったのですが、食べてみると皮はまずくてとてもじゃないけど食べれません。しっかり皮を剥いて食べるのを推奨します。
あと、種の周りの果肉がライチのようにぷにぷにしてとっても食べごたえがあります。ちなみに1個の実から種はこれくらい出てきます。植えて7−10年で収穫できるようです。
追熟(2日経過)後のポポーの実
常温で2日たったポポーの実はこちらです。だいぶ黄色くなって痛み始めてきました。匂いはすごく甘い香りがします。とても美味しそう。
切ってみるとこんな感じでだいぶ黄色くなってきました。硬さはあまり変わらずといった感じ。
味は追熟したことで果物が熟したとき特有の味がします。メロンが熟しすぎたときに香りはいいんだけど、なんだか味が強くてってやつに近いかな。尖った甘さというかなんというか。うまく表現できない。でも熟す前のとは違った美味しさです。
たった数日でここまで変化してしまうのはちょっとびっくり。これだけ変化してしまうと流通に乗せて販売するのは難しいと思います。
美味しいバンレイシ科のフルーツ
ポポーはバンレイシ科に属しており、仲間は釈迦頭、アテモヤ、サワーソップなどが含まれます。これらに共通するのはどれも美味しいてことです。
アテモヤや釈迦頭はポポーとは異なる味でさっぱりした味です。サワーソップはまだ食べることができていませんが、とても美味しいと聞きます。共通するのはしっとりとした食感です。品種によって酸味があったり香りが違うので見かけたら手に取ってみましょう。
特に釈迦頭は、中国が台湾産の輸入を禁止したため新たな輸出先として日本が注目され入ってきています。冷凍者でも十分美味しいので見かけたらぜひお試しください。
おわりに
幻の果物と呼ばれるポポーは、とっても甘くしっとりねっとりした食感で美味しかったです。
美味しい反面、柔らかく日持ちしないため、流通に適さないのでスーパー等でほとんど見かけることはありません。入手方法は、農家の直売所か通販を利用するのが確実です。
調べてみると、ヤフーショッピングや楽天市場で見かけるので、取り寄せてみてはいかがでしょうか。こちらのリンクからは苗などの雑音を除去しています。
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