低温調理60℃で時間を振った場合の食味の変化

豚肉の加熱温度を60℃とし、加熱時間を振って味を確認します。調理時間は長くても12時間くらいに抑えると低温調理独特の嫌な臭いを防げます。

目次

はじめに

低温調理は加熱によって起こる肉の収縮を抑制して脱水を防ぎ、仕上がりがしっとりする調理法です。

加熱温度が高くないこともあり、化学変化がゆっくりおこるため失敗しにくく再現性の高い調理を行えます。

加熱時間については様々な時間が考案されており、スジが多い部分では柔らかくするために長時間の加熱が必須です。これまで当ブログでもスジの加熱時間については実測値をもとに7時間程の加熱でそこそこ柔らかくなることを記事にしています。

じゃあ、これより長くした場合、もっと柔らかくなるのか、美味しくなるのかというのを試していなかったのでこの部分をやってみようと思います。

調理条件

調味液を入れて60℃で加熱します。

加熱時間は7時間、12時間、24時間の3点。肉はスジの多いバラか肩ロースとします。部位によって多少の差はあるかもしれませんが、無視します。

結果

○豚バラ肉60℃7時間

断面はピンク色で美味しそうな色です。肉はプルプル。スジは程よく柔らかくなっています。フォーク等で穴を開けずに調理したので内部までは味が染み込んでいませんが、表面の調味液の旨味と内部の肉自体の旨味が合わさるので普通に美味しい。

 

○肩ロース60℃12時間

こちらも断面はピンク色です。肉は柔らかく、スジも程よく柔らかくなっています。フォーク等で穴をあけていないのでこちらも表面付近の味が濃くなっています。味は申し分なく美味しいですが、低温調理やレトルトでの何とも言えない臭みが出始めているような気も。

こういった臭いが苦手な方は短めの加熱時間にすることをオススメします。

 

○肩ロース60℃24時間

こちらも断面はピンク色ですが、7時間、12時間に比べると若干暗めの色となります。

スジの硬さは12時間と差はなく柔らかくはなっていますが低温調理独特の脂身の柔らかさです。肉の部分は少し硬くなり繊維状に始めていています。

加熱時間が長いので低温調理やレトルト独特の臭みが出てきています。

 

60℃で固定して加熱時間を振り7時間、12時間、24時間で調理しました。

その結果、一番美味しかったのは7時間、次に12時間、24時間は臭みが出てくるので微妙かなといった感じです。

7時間についてはちょっと気になることもあったので追試をして加筆を行います。

おわりに

低温調理は器具さえあれば誰でも簡単にできます。しかし、温度と時間の条件を任意で設定しなければいけません。

微生物リスクを下げたりスジを柔らかくするには長時間の加熱が必要ですが、長くしすぎれば臭みが出てくるので適度なところで切り上げる必要があります。

迷ってるけどとりあえず安全にやってみたいという方は、60℃で7-12時間の加熱をしてみてはいかがでしょうか。

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