生のトマトは青臭くて苦手という方でも美味しく食べれます。通常の加熱と違い、組織が大きく壊れないのでサラダや冷製パスタ、スープ、ピクルスなど様々な料理に展開可能です。
はじめに
トマトはグルタミン酸含有量が多いので様々な料理に利用されます。しかし、生では青臭くて食べれないという方も多い食材です。
これはトマトに含まれる3-ヘキサナールと呼ばれるアルデヒドによるものです。
揮発性の成分のため、加熱によって揮発させてしまえばいいのですが、通常の加熱では組織が崩れてしまいます。
そこで低温調理でトマトを調理して組織を残して他の料理に使いやすいようにします。
調理例
温度と時間は、60℃、1-2時間です。加熱後、流水や氷水で熱を取ればサラダや付け合せに利用できます。
これはAnovaやその他の低音調理器具を使って一定に保っても構いませんし、温度計を使ってコンロをオンオフさせても構いません。
使うトマト自体が生食可能なので温度管理を徹底した殺菌が目的ではないからです。
それでは実際の調理工程を画像つきで紹介します。
鍋にぬるま湯をはりAnovaをセットします。設定温度は60℃。
ビニル袋にトマトを入れて加熱開始です。トマトはミニトマトと普通のトマトを加熱しました。
60℃で加熱開始してから1時間後、袋を取り出して流水で熱を取ります。これはサラダで使うため。
ミニトマトを取り出してみます。
外側の皮が縮んで身が割れていますが、中身は無事です。
皮もツルンと簡単に向けます。ちょっと写真が良くないけど、ミニトマトは形状を保っていて崩れてはいません。
皮は固くて美味しくないので取り除きましょう。 簡単にツルンと向けるので皮をむいて盛り付けます。
一方で普通のトマトはこんな感じで皮が割れていませんでした。
皮と身の間がすごく柔らかくなっていましたが、これは内部から出てきた水分です。皮は切れ込みをいれると紙のように簡単に切れてむくことができます。
カットするとこんな感じでホールトマトよりも少し固めのトマトになりました。
低温調理したトマトの味と食感
トマトもミニトマトも火を通したトマトよりは形を保っており、湯剥きしたものより少しやわらかいくらいと言った感じです。
さて、その味ですが、青臭さが抜けて別のトマトのような美味しさでした。食感も程よく残っており、ホールトマトのようないかにも火を通したというわけでなく食べごたえがあります。
生のトマトが食べれない友人に食べてもらった所、生と全然違って普通に食べれる、美味しいという評価をいただきました。
これならサラダや付けわせに入っていても食べれるとのこと。
サラダとしてそのまま食べるのはもちろん、カプレーゼのようにしても美味しくいただけます。また、生のトマトを使っているような冷製パスタやスープに用いるとより美味しくなるでしょう。
ピクルスにすると別次元の美味しさへ変化するのでオススメです。
関連記事:低温調理したミニトマトのピクルス
おわりに
低温調理したトマトは青臭さが抜けて別の食材へ変化します。これなら生トマトが嫌いな人でも食べることか可能です。
多少柔らかくなりますが、形も保っているので他の様々な料理、付け合せへ応用可能となります。
低温調理は肉への利用が多く見られますが、野菜への適用でこれまでと違った料理が作れる調理技術です。
美味しい料理を作るきっかけ、野菜嫌い克服のヒントになったらと思います。
関連記事:キュウリの低温調理
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参考資料
鳥取県産業技術センター研究報告, No.19(2016), 45-48
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