キュウリの低温調理

キュウリは低温調理することでウリ科作物独特のウリ臭さが消えます。キュウリの食感は残るのでスティックサラダや塩もみ、浅漬けなど生や生に近い食べ方をしている料理の下ごしらえとして最適です。

目次

はじめに

野菜の青臭さは、3-ヘキサナールなどのアルデヒド類によるものです。これらの揮発成分は加熱することで臭わなくなります。

加熱調理した野菜が食べやすいのはこのためです。しかし、加熱することで野菜の食感は失われるので、食感を残したい場合は低温調理等で組織を壊さずに加熱する必要があります。

調理例

温度、加熱時間は60℃、1時間です。加熱後は流水や氷水で冷やし粗熱を取って終わりです。

左が非加熱の生のキュウリ、右が60℃で1時間加熱したものです。

加熱後は若干の色味が変わっています。サイズは適当に切ったものなので気にしないでください。

低温調理したキュウリの食味

その味ですが、食感は生のキュウリと違いがありません。

特筆すべきは臭いです。

キュウリはウリ科の作物独特の青臭さがあります。この嫌なウリ臭さがいっさいありません。好きな人はこの香りがないと物足りなく感じるかと思いますが、その場合は生食で。

この低温調理キュウリを野菜が苦手な人に試食してもらったところ、別の食べ物みたいで美味しいといってパクパク食べてくれました。

番外編 メロンの低温調理

同じウリ科の作物ということでメロンを同様の手法で調理しました。左が未加熱、右が低温調理したものです。

色味はキュウリと同様に若干変わっています。

こちらもキュウリ同様に青臭さいウリ科作物の臭いが消えています。ただ、果物のいい香りも飛んでいるのでこちらは本当に苦手な人向け。味もメロンシロップのようでまずくはないけど、といったものです。

ウリ科の作物であればスイカにも有効だと思われます。こちらは未入手なので試してませんが、文献上では効果ありと報告されているのでスイカが苦手だけどという方は試してみてもいいかもしれません。

おわりに

大っ嫌いだったキュウリを低温調理してみたところ、ウリ臭さが消え普通に食べることができました。キュウリのみずみずしいシャキシャキとした食感がこんなに美味しいものだとは思わずもっと早くやっておけばなと。

Anovaをつかった低温調理を行いましたが、野菜の低温調理は肉ほど顕密な温度管理は必要ないので60℃前後で適当に管理したお湯で湯煎するだけで大丈夫だと思います。

野菜が苦手な方にもオススメの調理法になります。

関連記事:トマトの低温調理

参考資料

鳥取県産業技術センター研究報告, No.19(2016), 45-48

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