フッ素加工のフライパンのように焦げ付きにくくストレスなく使えます。
はじめに
耐熱皿を使ってオーブンで料理を作ると、使用後に焦げ付いて取れないといった経験をされたことはありませんか。
対策としてクッキングシートを引いたり、油やバターを塗ったりしますが効果は限られ、こびりつくのを完全に防ぐことはできません。こびりつくのを防ぐには、フライパンと同様にフッ素加工したものか、同様の加工をしたものを使う必要があります。
今回はセラミックスコーティングによってこびりつきを防ぐ「セラベイク」という製品を紹介します。この製品は半透明のガラス製なので中が見えるところが良いところです。
外部サイト:セラベイク製品ラインナップ(メーカー直営店)
セラベイクについて
セラベイクはガラスにセラミックスコーティングを施した製品です。石塚硝子さんが展開するアデリアというガラス製品のブランドのひとつになります。
画像はパウンドケーキ型のセラベイクです。
見た目は半透明のすりガラスといった感じですが、半透明に見えるのはセラミックスコーティングの層になります。そのため外側はツルツルの普通のガラスです。
セラミックスコーティングが施された部分を触るとフッ素加工されたフライパンのように摩擦が小さく感じます。触った感じからこれは焦げ付きにくそうな感じがします。
では、この焦げ付きを防ぐセラミックスコーティングとはどんなものなのでしょうか。メーカーのHPではセラミックスコーティングとしか書いていないので、特許文献を見てみましょう。
特許文献によると、セラミックスコーティングはシリコーン樹脂にシリカ粒子などを分散させたものとされます。セラミックスコーティングと書かれていたので、てっきり摩擦の小さい無機物が塗布されていると思いましたが、違ったようです。
セラベイクの実力
さっそくケーキを焼いてみます。色々端折って焼いたケーキをひっくり返した結果がこちらです。
ケーキからの油分がでていますが、焦げてこびりついたものはありません。するっと離れる気持ちよさすら感じます。これはすごい。
洗うのも洗剤を使わなくても汚れがスッと落ちます。
洗い終わりの状態で水が広がることなく玉になっていることから、疎水性が強く、汚れが付きにくいことがわかります。
調理中に焦げ付きにくいだけでなく、使用後に汚れが落ちやすいので使い勝手は抜群に良い言えます。
耐熱性について
メーカーのHPでは耐熱温度差120℃としかなく、オーブンで何℃まで使えるかが不明です。
特許文献には300℃程度まで耐えられるとの記載がありますが、このような製品は300℃で使用し続けられるものではなく、瞬間的に耐えられる温度が300℃といった製品も多くあります。
直火がNGなことや安全率を加味しても200℃前後の使用が望ましいと考えられます。実際にグラタン、ケーキや菓子パンを焼く温度の多くは200℃前後なので、オーブンで使う耐熱皿としての耐熱性は十分にあります。
耐久性について
寿命は使い方によります。
例えば、フッ素加工が施されたフライパンでも持ちの良い人、悪い人がいますよね。持ちの良い人は、加熱しすぎないようにしたり、水で急冷させずに大事に使っています。一方で持ちが良くない人は、強火でガンガン加熱したり、急冷したりタワシや金タワシでゴシゴシ洗っていたりします。
セラベイクはシリコーン樹脂が使われているため、フッ素加工製品と同様の使い方が望ましいと考えられます。金属製のスプーンやナイフを使わない、耐熱温度以上で使わない、急冷しない、タワシや金タワシを使用しないとった感じでしょうか。
レビューを眺めても数カ月から年単位で使えている人も多いので、すぐにヘタる人は使い方に問題があると考えるのが自然です。
使用上の注意点
箱に小さく注意点が書いてあります。その中でもアルカリ性の洗剤を使用しないことが書かれています。これはコーティングが傷むためとのことで、通常のガラス製品やセラミックス製品と大きく異なる点です。
どの程度アルカリ性に耐性があるかわからないので重曹の避けるべきでしょう。
そもそも汚れが付きにくい素材なので、アルカリ性の洗剤や漂白剤を使用することがないと思います。
欠点
焦げ付きを防げて洗うのも楽でいいじゃんと思われますが、欠点もあります。セラミックスコーティングとされていますが、シリコーン系の樹脂が使われています。
こういった樹脂製品はニオイがくっつきやすく落ちにくいものです。例えば、フッ素加工のフライパンでカレーを作ると、使用後にニオイが落ちにくかったりします。シリコーン樹脂も同様にニオイが落ちにくいのでニオイの強い料理をしたらぬるま湯で洗ったりしてニオイ対策が必須です。
また、シリコーン樹脂が使われているため、金属製品でガリガリこすったりフォークやナイフを刺すのはコーティングを痛めてしまいます。メーカーは耐久試験をしていると言っていますが、木製や樹脂製のナイフやスプーンを使いダメージを与えないようにする必要があります。
最後にもうひとつ、前途したような寿命もあります。セラミックスコーティングにシリコーン樹脂が含まれていることから、コーティングが半永久的に持つことはありません。
欠点を上げるとしたらこの三点になると思います。これらのデメリットを加味してもメリットが大きく上回るのでセラベイクは買いだと思います。オーブン料理の焦げ付きは、洗い物をする人への虐待です。さっと汚れが落ちるなら、洗う水や洗剤の使用量も減らせるので環境負荷も減るでしょう。
おわりに
セラベイクはセラミックスコーティングを施したとありますが、実際はシリコーン樹脂が使われているため、通常の耐熱皿やガラス製品のような強度はありません。
しかし、セラベイクを購入して洗い物が本当に楽になりました。ケーキはクッキングシート不要だし、使用後は焦げ付きもないので洗剤でさっと洗って終わりです。グラタンも同様で本当に焦げ付かないので漬け置いたりタワシでゴシゴシやる嫌な作業が消えました。
もっと早く買っておけばよかったなというのが素直な感想です。オーブン料理の洗い物が億劫な人は今すぐ購入してもいいと思います。
店舗での販売はあまり見かけないので通販から購入すると確実です。
参考資料
特許6170825
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