ブリの生ハムの作り方

能登で冬に作られる郷土食「巻鰤」を参考に普通の冷蔵庫で作ります。

目次

はじめに

冬に能登では巻鰤(まきぶり)という郷土食が作られています。作り方自体は難しくなく、ブリの冊を塩漬けにして縄で巻いて軒下に吊し熟成させるというものです。

熟成期間は約8ヶ月。お盆に集まって食べるものとのこと。作り手が減ってきたとはいえ、現在でも生産されていて通販やふるさと納税で入手可能です。

浜野水産:様々な試行錯誤の結果 継承される奥能登の伝統「巻鰤 70g×2本入」

巻鰤は塩漬けにして長期間の熟成が必要なため、家庭で簡単に作れるとは思えないかもしれませんが、作れます。

ポイントは塩漬けにした食材を乾燥させる点なので生ハムと同じということで作ってみましょう。

作り方

作り方は巻鰤の作り方を参考に塩漬けにした冊を冷蔵庫でセロファンに包み乾燥させる方法を取ります。セロファンは孔径が小さいため、雑菌やカビといった冷蔵庫内にいる低温に特化した微生物の付着や侵入を防げます。

このへんは生ハムづくりと同じなのでこちらも参考にしてください。

関連リンク:脱水シートを使わずに生ハムを作る

それではブリの生ハムの作り方です。

○材料
ブリ    脂の乗った冊がベスト
塩     ブリの重量に対して10%
セロファン 1枚

○調理工程
1.一晩塩漬けにする
2.セロファンでつつみ冷蔵庫で寝かせる
3.2週間以上寝かせて完成

ざっくりした工程はこんな感じです。ここからは画像付きで詳細な作り方を紹介します。

まずブリの切り身に塩を降ってなじませます。

ビニール袋に入れて一晩寝かせます。寝かせるとほんのり色がつきます。

出てきた水分をキッチンペーパーで拭きとってセロファンにのせます。このときセロファンにアルコール消毒スプレーを吹きかけて除菌しておきましょう。また、セロファンが濡れるため柔らかく扱いやすくなります。

包むとこんな感じ。この状態で冷蔵庫に入れて静置。

2週間以上寝かせると食べられます。熟成させた味が好きでない人は早めに食べてもいいし、もっと熟成が進んだのが好みの人はもっと寝かせればいいでしょう。

巻鰤は半年以上寝かせてお盆に食べるそうですが、数ヶ月も冷蔵庫で寝かせると乾燥が進みすぎて鮭とばの親戚のようなものになってしまい生ハムとしてはイマイチな仕上がりになってしまいます。

2週間くらい乾燥させたら水分を通さないラップに包んで保存すると乾燥が進みすぎず美味しく保存できます。

今回は試作も兼ねているので一旦2週間で食べてみます。

2週間後の様子がこちら。

だいぶ水分が抜けています。匂いは魚系のアミン臭が少しします。いい匂いがするし、カビも粘り気もないので腐ってなさそうです。程よく熟成が進んでいる感じ。

切るとこんな感じになります。

表面がほんのり黄色で中がブリの色。生っちゃ生です。美味しそうな色合い。2m幅くらいに切ってお皿に並べて完成となります。

実食

変な匂いや味はもちろんしません。めっちゃ美味しいです。

程よい塩加減とブリの甘みで。これ、ホームパーティとかで出してもいいと思います。本当におすすめできる美味しさ。あと、熟成があまり進んでないせいかくどくありません。熟成が苦手ってひとでも行けると思います。

サケやマグロで作るとブリ以上に美味しく仕上がるのでそちらもオススメです。また、ちゃんとした冊で作ると内部はもう少し生っぽくなって美味しくなります。

関連記事:サケやマグロの生ハムの作り方

おわりに

巻鰤を参考にブリの生ハムを冷蔵庫で作ることができました。今回のものはちょっと乾燥しすぎていましたが、もう少しちゃんとした冊で作れば脂の芳醇な香りと塩辛さが合わさった絶品となります。

冷蔵庫にセロファンで包んでおいておくだけで作れるので作ってみてはいかがでしょうか。

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