肉をしっとりさせるブライン液の塩濃度と食味の関係

肉がしっとりするブライン液の主成分は塩です。そのため仕上がった料理はしょっぱくなる傾向があります。じゃあどの程度塩濃度を下げられるかテストしてみました。

はじめに

ブライン液は肉をしっとりさせる魔法の液体です。その主成分は食塩で、使用する濃度は3-5%と塩濃度が高いのが特徴です。

数字だけ見てもぱっとしない方は、海水より濃い塩水と考えればいかにしょっぱいかがわかると思います。

このブライン液を用いて、例えば鶏胸肉を処理すると、パサつかずにしっとりとした仕上がりになります。鶏胸肉には様々な調理法が考案されていますが、これほど効果があるものはないでしょう。

反面、しょっぱくなってしまうというデメリットもあります。この塩濃度の下限値を下げることはできないのかというわけでデータを取って見ようと思います。

肉がしっとりする理由

データを取る前にしっとりする理由をさっくりと説明します。

通常の加熱を行うと肉から水分が抜けます。これは加熱によって肉が縮むためです。

加熱によるパサつき防ぐために塩水に浸すと、筋繊維を構成するタンパク質が緩み水分を逃しにくくなるというわけです。

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データの取り方

それではデータを取っていきます。

塩濃度を振った水溶液を用意してそこに鶏胸肉の肉片を浸します。初期と加熱後の差分から、流出した水分を測定します。

浸漬は1時間とします。そのときの様子がこちら。ずらっと並べただけで特に奇抜な試験というわけではありません。

1時間の浸漬後、オーブンで20分加熱します。厳しめの条件でしっかり水分を抜くといったイメージ。

このときの数字をとってちょっと加工します。

試験結果

塩濃度と加熱後に肉に残った水分量の関係を次の図に示します。

塩濃度を0.5-10%まで振りました。

塩水に浸していないものは加熱することで7割弱の水分が失われますが、塩水に浸したものは塩濃度の増加とともに肉に残存する水分量も増加します。

塩濃度と水分量が比例関係にあるのは塩濃度が5%までで5%以上では効果が弱くなっているのがこの結果から読み取れます。

従って、ブライン液の塩濃度は5%くらいが良いという結果です。

ここに食味を加えてみます。

 塩濃度 %
00.513510
塩味なし薄い薄い適正濃い濃い
しっとり感××

しっとり感が得られるのは3%以上からです。1%では、ほんのりしっとりするくらいです。しかし、しょっぱいのが苦手でという場合は1%でも効果があるので実施する価値はあるでしょう。

水分量と食味を加味すると、適切な塩濃度は3%ということがわかりました。

おわりに

ブライン液の十分な効果の得られる塩濃度は3%以上です。

一方で低濃度の1%では効果がないというわけではないので、塩分が苦手な方や避ける必要がある場合はこの濃度でやってもOKです。

ブライン液は鶏胸肉をしっとりさせるのに絶大な効果があります。鶏ハムもブライン液と同じ効果を利用しているんだろうなと思います。

この後塩抜きしたらどうなるのかというのは試してないので後日やってみようと思います。

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