タケノコのアク抜き方法の簡略版を検討して失敗した記録です。
はじめに
一般的にタケノコのアク抜きは糠と鷹の爪を使った方法が行われています。しかし、この方法では長時間加熱するため、食感や香りが失われてしまう欠点があります。
そこで、非加熱でアク抜きが行える大根おろしの汁を用いた方法が考案されました。
この方法でアク抜きされたタケノコは、風味や食感がしっかり残り大変美味しいものです。
と、いいこと尽くめに見えますが、大根をおろしを作るのに苦労します。また、一度に多くのタケノコをアク抜きするのには不向きとも言えるでしょう。
そこで、大根をおろさずにピーラーで薄く剥いたダイコンから汁を抽出して使用するという方法を検討しました。
あたり試験
さて、試験と聞くと緻密な検討や計画をしてるんでしょって思う方がいるようです。
実際にビーカー試験で遊ぶ場合、私はそういう計画をほぼしません。たぶん、これくらいだろうというところから始めてデータをざっくり振ってうまくいきそうならちゃんとやる方法を取ります。
今回は塩を使って大根から汁の回収を行います。
違う酵素、試験系によりますが、塩を使うと回収率が上がるとの情報があったので検討の価値ありということで実施してみましょう。
〇試験方法、結果
1.ピーラーで大根を薄切りにする
2.水を大根と同量加え、さらに1%の塩を加える
3.1時間後、大根を絞り汁を抽出する
4.タケノコを加え1時間アク抜きをする
ざっくりこんなもんです。
大根をピーラーで薄く切り、水と塩を加えたのがこちら。
1時間の浸漬後、手で絞った液体の写真は撮り忘れましたが、少し白濁して大根おろしの汁と似た匂いがします。
まぁこれならこうかあるだろうということでタケノコを投入して1時間後に味見をすると、アクは少し減ったように感じますが、大根おろしやおろしの汁を用いたものと比べると効果は薄く感じます。
その後、数時間浸漬しても効果はいまひとつ。
という訳であたり試験は失敗です。
失敗の原因
ちゃんと失敗の原因を推測しておきます。
おそらく、圧倒的に大根の表面積が足りなかったと考えられます。
大根おろしはおろし金によって大根の細胞を破壊して水や内包してる酵素を放出します。しかし、今回のピーラーを使う方法では圧倒的に細胞の破壊が足りていません。
塩によって一部の細胞を破壊したり酵素の抽出ができたとしても、おろし金を使う程ではないなといったところでしょう。
残念ながら、おろし金を使う方法には勝てませんでした。
こういうときにフードプロセッサーがあったら楽なんだろうなと思います。
おわりに
大根おろしを作る手間を省くため、大根をピーラーでむいて塩水で抽出しましたが、大根おろしの汁を用いたアク抜き方法に遠く及びませんでした。
大根おろしを作る操作がきっついので手を抜きたい場合はフードプロセッサー等を利用しましょう。
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