大根おろしの汁を使ったタケノコのアク抜き方法

この方法でアク抜きしたタケノコの美味しさを知ってほしい。非加熱、短時間、香り豊かで美味しい、三拍子揃った調理法です。

目次

はじめに

タケノコはエグミの強い食材で家庭でのアク抜きは、糠と鷹の爪で長時間煮る方法が行われています。この方法でアク抜きしたタケノコは、エグみと一緒に旨味や香りも抜けてしまいます。

一方で大根おろしの汁を使ったアク抜き方法は野崎洋光さんが考案して料理本やテレビ、ネットなどで紹介されています。この方法は、非加熱、短時間なので旨味も香りも抜けません。

現在、タケノコを調理する最適解です。

タケノコのエグみの原因と一般的なアク抜き方法と大根おろしの汁を使ったアク抜き方法を解説します。

エグみの成分

タケノコはエグみの強い食材で成長の過程で代謝する酵素によってエグみが増します。生食する場合は地中にあるものを掘り起こしてすぐでなければ食べることができません。

また、収穫後にもエグみは増すのでスーパーに並んでいるものを手にとる場合はアク抜きは必須となります。

エグみの成分は、シュウ酸、ホモゲンチジン酸の2つです。

特にホモゲンチジン酸は、タケノコの酵素によってチロシンから分解生成されるため、収穫後時間が経過したものはエグみが特に強くなります。

小麦と米を使って電子レンジでアク抜きする方法

糠と鷹の爪をつかったアク抜き

タケノコのエグみを取り除くアク抜きは、旧来、糠と鷹の爪をつかった方法が行われてきました。

よく解説されるこの手法は、加熱によって酵素を失活させホモゲンチジン酸の生成を止めること、水溶性のホモゲンチジン酸を水や糠に含まれるカルシウムなどの多価の金属イオンと反応させ不溶性の物質にして糠に吸着させるといったものです。

しかし、糠や水に含まれるカルシウムやマグネシウムが少量なこと、未反応のホモゲンチジン酸が残りこれらは水溶性のため糠に吸着しません。

従ってアク抜きとして十分に機能していないと考えられます。実際に調理した場合、特に穂先の部分でエグみが残っているのを実感することが多いものです。

小麦粉や糠と米を使い電子レンジで加熱する方法

エグみの原因となるホモゲンチジン酸は水溶性です。普通に水で煮た場合、水の中に溶けだしたホモゲンチジン酸とタケノコの中に残ったホモゲンチジン酸は同じ濃度になって一定以上の除去が不可能となります。

そこで小麦粉や糠、米を一緒に入れて吸着させ、水に溶けたホモゲンチジン酸濃度を低下させて継続してタケノコの中からホモゲンチジン酸を除去するといったものです。

考え方としてはなるほど!と思えますが、水溶性の物質を水から除去することは困難なものです。水溶性の高い塩や砂糖といった物質は除去が困難なことと同様に、この除去機構は誤りと言えます。

実際には少量水に溶けだす分と加熱による酵素の失活しか期待できません。

コンクリートに一晩静置する方法

謎。未知の手法です。もったいないので未実施のため今後、検討します。

大根おろしの汁を使ったアク抜き

大根おろしの汁と水を1対1で混ぜ塩を加えて1%程度の濃度に整えたものに1-2時間つけ置くというものです。

アク抜き後、軽く水で洗い流してから料理に使います。

ソテーにしてもいいし、煮てもいいし、炊き込みご飯にしてもよく、タケノコを調理する下ごしらえとしては現在色々挙げられている中で最も美味しくいただけるものです。

香り、味、食感、どれを取っても文句なし。収穫後、かなりの時間が経過したものでもアクが抜けます。

この原理について、現在のところちゃんとした理由はわかっていません。

加熱した大根を使うとアク抜きの効果が得られないことから、酵素反応が影響してるのではないかと考えられています。しかし、大根に含まれる主な酵素はアクに対して効果があるとは思えないものばかりで、知られていない有効な酵素存在するのか、既知の酵素に有効な作用があるのか不明です。

なぜかわからないとはいえ、大根おろしの汁を使うと非加熱で短時間、香りも味も抜けずに美味しく食べれるというのでこの手法で調理しない手はありません。

詳細な手順

◯材料
タケノコ   1個
大根おろし  1/3
水      大根おろしの汁同量
塩      1%

◯調理工程
1.大根をおろして絞る
2.水で倍に希釈する
3.塩を入れて塩濃度1%にする
4.皮を向いて切ったタケノコを入れる
5.1-2時間浸け置き

ざっくりこんな感じ。大根おろしは絞らずにそのまま希釈してタケノコを入れても大丈夫です。大根おろしがもったいなくなければですけど。絞って残った大根おろしは他の料理へ。

というわけで実際に作業を勧めます。

大根をおろします。買ってきたのは半額だった1/3くらいの大根。全部おろして絞ると200mL弱でした。倍に希釈するんですけど、水を足して400mL にします。大体倍に希釈するくらいでOK。こうすれば計算も楽だし。

400mLにしたとこに塩を入れます。1%の濃度にしたいから4g入れます。混ぜて塩を溶かします。

それからタケノコを切ります。スーパーで半額だったもの。熊本産。もう付け根は乾燥しててだいぶアカン状態。えぐみがすごそう。

適当にむいて乾燥してるところと硬い部分を切ってしまいます。このタケノコは小さく穂先の部分しかなかったので4分割します。切ったらさっき作った大根おろしの汁にいれる。このときアク抜きしてない切れ端を口に入れてみたけど、えぐくてとてもじゃないけどこのままじゃ食べれませんでした。

1-2時間そのままにしてアク抜きをします。そのあとは水で洗って汁を流して終わりです。

取り出してみるとこんな感じです。あとは調理するだけ。ソテーにしてもいいし、切って炊き込みご飯にしてもいいし、煮物にしてもいい。今回はレンジでチンして煮物にします。

ここに顆粒の鰹出汁小さじ1、醤油大さじ1、水大さじ4を入れてレンジで500W4分チンして完成。あとはつけ置くだけで煮物の完成になります。完成図はこちら。サムネどおりです。

おわりに

今回は収穫からだいぶ時間の経過したタケノコを調理しました。短時間のアク抜き時間でしたけど、非常に美味しく食べることができます。

従来のアク抜きをディスるわけじゃないけど、長時間の加熱は味も香りも奪っています。

一方で大根おろしの汁を使う方法は短時間、非加熱です。なので味も香りも抜けずにタケノコ本来の味を味わうことができます。

ちょうど刺し身に近い感じになると思います。新鮮なタケノコだけでなく、収穫後、少し時間の経ったものでも大丈夫なのでぜひ試してほしいです。

というわけで、本当に色々な人に知ってもらいたいタケノコのアク抜き方法になります。

やったことがないという方はぜひ挑戦してみてください。

関連記事:大根おろしの汁でアク抜きしたタケノコの調理例

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