硫黄臭、レトルト臭、肉、魚、野菜、様々な不快な臭いを防ぐ調味料です。元ネタは特許ですが、家庭で実施する分には特許侵害しません。
はじめに
調理時の臭みを消す方法は様々あります。
例えば魚のアミン臭なんかは日本酒や柑橘類を使うことで抑えることができます。これはアミン類と有機酸が結合して揮発しなくなるためです。
関連記事:魚の生臭さ抑制に日本酒や酸が有効な理由
他にもハーブや香辛料を使ったりすることが上げられます。
今回作る調味料はこれらのものとは違い、様々な調理に応用可能です。作り方は容易で、加熱したタマネギにアルコールと水を加えて分離するだけです。
消臭原理は明記されていませんが、含有するアルデヒドに消臭効果があるようです。
調味料の作り方
◯材料
タマネギ 1kg
焼酎 200mL
◯工程
1.タマネギを切り1/3程度の重さになるまで加熱する
2.焼酎を加え抽出する
3.分離して有効成分を得る
これだけ。分離操作は蒸留にします。温度はあまり気にせずに、入れた焼酎と同じ体積の蒸留物が得られたら終わりとします。
それでは詳細な作り方を。
まず、タマネギを適当に切っていきます。時短のため、電子レンジで10分弱加熱して火を通します。
火が通ったらフライパンに移して炒めていきます。弱火で水分を飛ばして重量が1/3程度になるまで炒めます。
炒め終わったら他の容器に移して焼酎を加えて抽出します。
文献では撹拌しながら1時間とありますが、静置しながら適当な時間置けば大丈夫です。
その後、液体とタマネギを分離します。
加熱して出てきた気体を逃さなければ手段はなのでもいいんですけど、一番楽そうな圧力鍋を使って蒸留・分離します。 チューブは別の鍋なかで冷却できるようにして瓶に回収します。
適当に加熱して分離したものがこちらになります。
透明なきれいな液体が得られました。香りはタマネギを加熱したときの甘い香りがほんのりします。
酒税法あかんやろ、と思われる場合は、100倍に希釈してアルコール濃度を1%以下にしたり、法令解釈通達にあるような分量で酢、酢酸、氷酢酸、塩を入れて回避しましょう。
料理に使ってみる
試しにハンバーグを作ってみます。使い方は微量でいいとのことですが、今回はちょっと多めに2mLいれてみました。
見た目は同じですが、左が調味料を使用したもの、右が未使用のものです。
調理中にびっくりしたのですが、焼いているときに肉の何とも言えない臭みが出てこないんですよね。そんでもって食べ比べても臭みが消えています。
試しに使ってみただけですけど、この調味料の実力はすごい。
他にもレトルトや野菜、なんでも使えるようなので今後試してみようかと思います。
特に低温調理で出るレトルト臭の対策になるんじゃないかな。
おわりに
この調味料は市販されているのですが、量が20Lです。これは家庭じゃ使い切れる量ではありません。
これなら自分で作ったほうがというわけで作ってみました。
操作は簡単なのですが、手間が結構かかるのでちょっと面倒ですが、強力な臭み消しが得られます。
あとは実験操作なのでこういうのが好きな人は多分面白く作業できるかと思います。
一応、楽天で通販可能なので人数集めてシェアするというのはありなのかもしれません。購入を検討の方はこちらからどうぞ。
参考資料
特許6140328
コメント
コメント一覧 (5件)
以下質問ですが
1.玉ねぎ 1Kg と焼酎 200ml で最終的にどれだけの量がつくれるのですか?
2.圧力鍋にいれて圧力をかけるのですか?
3.水分が非常に少ないようですが、焦げ付いたりしないのですか?
すみません質問ばかりで。
1.200mL弱です。
2.圧はかけていません。
3.水分が残っている以上、焦げません。
これスゴイですね!
うちの圧力鍋はできないタイプなので残念です。
残った玉ねぎはどうされたのですか?
炒め玉ねぎとしてなら蒸留せずにそのまま使えたりしませんかね?笑
↑『挽肉料理であれば臭み消しとして』という意味です。
あと、『固形であることに目をつぶれる料理なら』そのまま…笑
連投失礼しました。
猫毛だらけさん、こんばんは。
試していないのですが、蒸留しなくても効果はあると思います。
ネギ科の作物が臭み消しに用いられている理由もその辺なのではないでしょうか。