青梅を追熟させた芳醇な香りのする梅を使った「追熟梅酒」を作ります。また、工程を工夫することで梅にシワが寄らないようにして果肉も楽しめるようにします。
はじめに
梅酒の作り方は多岐に渡っていて作る人がそれぞれ美味しいと思っているやり方が美味しい作り方になります。とは言うものの、調べてみると作り方によって味に差はありますが、普通に漬けて2-3年熟成させたものが美味しいことが報告されています。
果実酒作りには、香りのいいものを使うというのが鉄則なので、梅を追熟させて香りを出してから漬け込むことで美味しい梅酒になります。じゃあ最初から完熟の梅を使えばいいじゃんと思われるかもしれませんが、完熟した梅は、得られる梅エキスが少なくなるため梅酒には不向きとされます。
美味しい梅酒の作り方
梅酒を美味しくするには、香りの良い梅を使うことと、梅エキスや種に含まれる成分を抽出する必要があります。良い香りの梅は、追熟によって簡単に作れます。
追熟の記事はこちらを御覧ください。
関連記事:梅酒に使う梅の前処理として「追熟」を行う
簡単に高効率で抽出を可能にする方法として、梅を冷凍する方法が挙げられます。この方法だと、梅の細胞の半透膜は凍結によって半透性が失われ、種までの隙間もできるので抽出が用意となります。
以上をまとめると、美味しい梅酒を漬ける方法は、追熟した梅を使い凍結させて梅酒を作るということになります。
作り方
○材料
ボトル 4L
ホワイトリカー 1.8L
氷砂糖 500g
青梅 1kg
○作り方
1.梅を室温で3日追熟
2.梅を洗いヘタを取る
3.冷凍庫で冷凍
4.瓶に梅と氷砂糖とホワイトリカーを入れる
5.1ヶ月後、梅を取り出す
6.熟成(もっとも美味しくなるのは2年後)
それでは画像つきで漬けている作業工程を振り返りたいと思います。
買ってきた青梅を追熟させます。追熟という字から黄色の完熟した梅になるように思えるかもしれませんが、見た目は殆ど変わりません。画像は青梅を買ってきて3日後の様子になります。見た目はほんのり黄緑がかったくらいですが、香りがとても良くてこれだけで美味しそうなモモに近い香りがします。
これを洗います。ボールに入れて水に浸すと、梅の周りに空気の相ができてとてもきれいです。
洗ったらヘタを取っていきます。爪楊枝や竹串をさせば簡単にとれます。梅酒にしたときに梅にシワを作りたくない場合は、ヘタを取ったあとにここを突き刺して穴を開けておきましょう。
ヘタを取って水気を切って乾かしたら冷凍させます。
冷凍後はこちら。カチンコチンです。こうすることで梅の半透膜の半透性が失われて梅エキスの抽出が容易になります。また、梅にシワがよりにくくなります。
それでは瓶に詰めていきましょう。
梅と氷砂糖を交互に積んでいきます。ゆっくり砂糖を溶かす効果はあまりないようですが、見た目がいいのでとりあえずやるだけです。
ここにホワイトリカーをいれてあとは熟成させるだけです。
上からみるとこんな感じ。1ヶ月後に梅を取り出すまでしばしお別れです。
おわりに
今回は追熟梅酒の漬け込みまでになります。1ヶ月後に梅を取り出すのでそのときまた記事にしてみようと思います。
約4ヶ月経過して飲み頃を迎えた追熟梅酒はこちらをご覧ください。
関連記事:追熟梅酒の仕上がりと味
梅酒関連の読み物のリンクは次の通りとなります。興味があれば一読下さい。
関連記事:梅酒に起こる化学変化と製法による味の違い
関連記事:梅酒に使う梅の前処理として「追熟」を行う
コメント
コメント一覧 (2件)
梅酒関連の記事を読ませていただきました。
化学的に説明されていてとても面白かったです。
私も梅酒を作ることがあるので追熟梅酒のその後が気になります,
時間があれば是非教えてください。
くえんさんさん、コメントありがとうございます。
そろそろ飲み頃を迎えるので今月中に記事にしてみようと思います。
青い梅酒のような青々したさわやかな香りはありませんが、完熟梅酒のようなフルーティな香りがします。
酸味もあまりなくとてもすっきりした感じです。梅はまんまるなので見栄えもとっても良いです。