廃線遺構をめぐるツアーに参加してきました。参加するまでは、探索は自分でしたほうが面白んじゃないかと思っていましたが、ガイドは現地を熟知した最強の水先案内人です。このツアーに満足できない人はいないでしょう。
はじめに
近年、北海道の絶景として注目されている場所が糠平にあります。それは旧士幌線跡のタウシュベツ川橋梁です。
ダム湖の水位が高い時期は見ることができません。また、北海道の大自然の中にある人工物のため写真映えすることが話題を集め近年人気のスポットになっているそうです。
それとは別に劇場版ガールズアンドパンツァーでカール自走砲と一緒にタウシュベツ川橋梁が登場します。
ガルパン聖地巡礼も兼ねてタウシュベツ川橋梁と旧士幌線跡をめぐるツアーに参加してきたのでその写真や感想などを交えながら紹介します。
旧士幌線について
士幌線は帯広から十勝三股まで引かれた鉄道です。
十勝三股は戦後の木材需要の高まりで一時は1000人以上が暮らしていました。しかし、木材需要の低迷と国道の整備によって次第に人口と乗客も減少して士幌線は1987年に廃止となります。
1000人近くが住んでいた町は現在痕跡が少し残っている程度ですが、士幌線の遺構群はかなり残っています。
ダムに沈んでしまったタウシュベツ川橋梁ばかり注目されますが、ダム建設によって架け替えた橋脚やダムの下流には崩れた士幌線の橋脚、橋脚以外には幌加駅にホームやレール、ポインタなどが現存しているので見どころは沢山あります。
ツアーではタウシュベツ川橋梁だけでなくこういった士幌線の遺構群をめぐる濃厚なツアーです。
旧国鉄士幌線 アーチ橋見学ツアー
〇ツアー概略
ツアー名:旧国鉄士幌線 アーチ橋見学ツアー
料金:3500円/人
備考:要予約。長靴、雨具、傘の貸し出しあり。ガイドの指名可。
集合場所のひがし大雪自然ガイドセンターで受け付けを済ませてバンで移動します。
まず、タウシュベツ川橋梁へ。林道の鍵を開けて車でトコトコ、旧士幌線の架け替える前の盛り土を眺めながら進みます。
最寄りに車を止め徒歩で旧士幌線跡を歩きながらタウシュベツ川橋梁を目指します。
ゴロゴロ転がっている木は冬季の水位上昇で流れてくるとのこと。昔は水面近くまで車で行けたらしい。
木をよけながら開けたところに抜けるとタウシュベツ川橋梁のお出ましです。前日から雨量も多く、ほとんど沈んでしまっていますが、夢にまで見たタウシュベツ川橋梁とご対面できました。
水深はまだ浅いので一応触れることができました。ガイドさん曰く、今シーズン最後に触れる日とのこと。
氷による浸食によってもうボロボロ。
という感じで沈みかけているタウシュベツ川橋梁との面会はおしまい。次は旧幌加駅へ向かいます。
道中、国道から旧士幌線の橋脚を眺めて士幌駅へ。
こちらはタウシュベツ川橋梁と同じようなアーチ橋です。時期によってはこういった橋脚をめぐるツアーも行っているそうなので次回はこっちのツアーに参加してみたい。
旧幌加駅近くで車を降り駅の跡に向かいます。レールが残っていてとてもいい感じ。
ポインタも残っており動かすことができます。結構重いけど。
先に進むと駅のホームがあり、人ではなく木が立っています。廃線になりどれだけの年月が経過したかおわかりいただけるでしょう。
駅周辺は何もないように見えますが、駅長室跡など当時の建物の基礎など見ることができます。
他にも国鉄の残骸がちらほら。
廃線の見どころのレールの刻印はこちら。
まるS NO 60 A 1910 XI と記載されています。
こちらのサイトを参考にすると、まるにSマークなので官営八幡製鉄所1910年11月製でしょうか。30Aはレールの単位重量かな。
こちらは看板に利用されているレールになります。
こちらのレールは、30 まるS 1938 IIIIIIII となっているので官営八幡製鉄所1938年8月製のようです。
レールについてもガイドさんから色々解説を聞けて知らなかったことを知れてとても満足です。
こんな感じでタウシュベツ川橋梁を見てほかの橋脚を見て幌加駅を散策してツアーは終了となります。
おわりに
今回訪問したタウシュベツ川橋梁は湖底へ沈みかけていました。次に見えるのは冬にダムの水位が下がってきたころになるそうです。
冬やGWは絶景を見に来るお客さんで予約が殺到するそうですが、キャンセル待ちもかなり出るそうなのでどうしても行きたい場合はキャンセル待ちをしましょう。
今回のツアーでタウシュベツ川橋梁よりも他の橋脚に興味がわいてきたところです。次回は沈んだ時期に訪問して他の遺構をめぐるツアーに参加したいと思います。
さいごに、今回ガイドをしていただいた上村さん、大変お世話になりました。若いながら歴史と文化を熟知して初めて訪れる私に対して丁寧に解説していただきありがとうございます。糠平を盛り上げようとする姿に感銘を受けました。
上村さんの運営する糠平の絶景や宿泊情報など満載のサイトもあわせてご覧ください。
外部リンク:ぬかびライフ
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