穏やかな瀬戸内海に浮かぶ島です。別名回天の島。
はじめに
大津島は山口県周南市にある離島です。場所はこちら。
JR徳山駅下車徒歩数分のフェリー乗り場から船で40分前後。馬島で下船して回天記念館と九三式酸素魚雷発射試験場跡を見て観測所跡を目指します。運賃は片道で710円。
回天の島と言われますが、旧日本海軍の開発した変態兵器「酸素魚雷」の発射試験場跡というのをどうしても見たくて行ってきました。
酸素魚雷について
艦これの重雷装艦でおなじみの九三式酸素魚雷。
魚雷なんてよくわからないよという方にちょっとだけ解説します。
魚雷は水中で炸裂することで衝撃波を発生させ船にダメージを与える兵器です。通常の魚雷は、燃料の燃焼に空気を使用するため海中に排出された排気ガスが白く浮かび上がり進路がわかってしまいます。
そこで日本海軍は考えました。空気でなく酸素にすれば燃焼ガスはほとんど二酸化炭素と水蒸気になるから見えなくなるんじゃねって。
しかし、高濃度の酸素は大変危険で燃焼反応が爆発的に進むので制御が非常に難しいのが特徴です。
結局、当時運用までこぎつけたのは日本だけでしたが、どこから魚雷がくるかわからないためアメリカは非常に恐れたとか。
一応、ものづくりに携わる身のとしての感想ですが、こんな危険な気体を使ったものを量産化したあげく実戦投入した日本海軍頭おかしいとしか思えません。
詳しくはウィキペディアを御覧ください。
外部リンク:酸素魚雷
旧日本軍が解体された後、当時の施設はすべて解体されたわけではなく現代にも残っています。そのひとつが大津島の九三式酸素魚雷発射試験場跡です。
九三式酸素魚雷発射試験場跡
それでは島内の様子を御覧ください。
こちらが九三式酸素魚雷発射試験場跡になります。周辺は釣りの名所らしく釣り人以外いません。
建物に近づくとこんな感じ。コンクリートはしっかりしています。
建屋の内部には魚雷を発射するための溝があります。
こちらは回天を吊ったクレーン跡。
山を登ると観測所の跡があります。
本記事ではふれていませんが、回天記念館や陸奥鉄を使用した鐘があったりします。
軍関係以外だと石切場や黒曜石も産出されるそうですが時間の都合により見れませんでした。
おわりに
艦これで北上さんのセリフに出て来る酸素魚雷。その試験が行われた発射試験場跡を見れてホクホクです。試験場跡は現在フェンスに覆われていて内部には入れませんが、フェンス越しにも当時の面影を見ることができます。
他にも様々な施設の残骸もあるので散歩をしながら散策するには面白い島と言えます。交通の便は悪くなく、徳山駅近くのフェリー乗り場から船に乗ればいけます。
徳山は周辺が工場地帯なので工場夜景を楽しむついでや途中下車をして訪問してみてはいかがでしょうか。
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