酸で処理するとアミン臭が消えます。非加熱、短時間で処理が可能です。
はじめに
こんにゃくは和食に欠かせない食材のひとつです。しかし、独特の臭みがあり、臭みを消すには流水に晒したり熱湯で湯がく必要があります。
これらの臭み消しに共通するのは、臭いの原因物質の希釈効果で根本的な原因に対処してるとはいえません。
こんにゃくの臭みの正体
臭いの原因物質はトリメチルアミンやジメチルアミンと呼ばれる物質です。これは魚とも共通の生臭さの成分になります。
非常にやっかいなのがアルカリ条件下で臭いが強くなるというものです。
こんにゃくは石灰(アルカリ)を加えて作られるのでどうしてもアミン系の生臭さが出てしまうというわけになります。
臭いを消す方法
アミン臭を取り除くのは難しいことではありません。アミン類はアルカリなので酸を加えてあげれば中和され臭いは消えます。
酢を加えるのが手っ取り早い方法ですが、作業中に酢の臭いがするのもなのでクエン酸を使用しましょう。クエン酸であれば酸っぱい臭いはせずに中和可能です。
実際の処理方法
1%くらいのクエン酸水溶液に調整したものを使います。
浸けるのはこんにゃくを切ってからつけてもいいし、クエン酸水溶液中でちぎっても構いません。浸け置く時間はそんなに長い時間必要なわけでなく、1分もつければ十分です。しっかり洗い流してこんにゃくの下ごしらえは終了。
工程をまとめると、
1.クエン酸水溶液の調整
2.こんにゃくを切る、ちぎる
3.1分程浸け置く
4.流水でクエン酸水溶液を洗い流す
以上です。
途中の画像なんか見てもそれほど面白くないので結果だけ。
こちらは刺身っぽく薄く切ってからクエン酸処理して軽く洗いだものです。開封時にあった生臭さはきれいさっぱり消え、刺身で食べれるくらいになりました。
道具の用意から皿に盛り付けるまでに要した時間は5分程なのでさっと1品作れます。
おわりに
こんにゃくは、こんにゃくに含まれるアミン類と灰に含まれるアルカリによって独特の生臭さがあります。これを除去するのにクエン酸を使うと非加熱ですぐに臭いを取ることが可能です。
これまでの手法が面倒くさいと感じる方はぜひ試してみてください。
参考資料
日本食生活学会誌, Vol.15, No.4(2005), 261-266
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