種の数を見て、種の少ない個体は避けましょう。
はじめに
トウガラシの仲間のシシトウは、辛味がなく味の癖も少ないため、様々な料理に添えられています。
しかし、時々辛いものがいます。しかもちょっと辛いレベルではなく、激辛なものもいるので一度当たってしまうともう食べたくないと思ってしまうくらいです。
辛い理由としてよく言われるのは、先祖返りしてるとか栽培時のストレスが影響しているとか言われます。聞いた瞬間は、うん、なるほどね、って何となく思いますが、ひと呼吸おいてみると、先祖返りってそもそも何?ストレスが辛味に直結するならストレスを与え続けたものだったら全部辛いのとか疑問がいくつかでてきて、そもそもこれって説明としてあっているのか疑問に思えてきます。
何が言いたいかっていうと、ちゃんとした情報として文献や書籍にあるわけだから、そういった情報をもとにして口伝や都市伝説から確度の高い情報へアップデートしようよ、という話です。
辛味はどこから来るのか
シシトウに限らずトウガラシの辛さはカプサイシンによるものです。カプサイシンの合成は果肉内部の部屋を分ける隔壁(いわゆるワタ)で合成されます。
この辛味は種に蓄積されたり、果肉に運ばれることはありません。乾燥させたトウガラシの種が辛いと言われるのは、乾燥した隔壁が付着しているためです。
よく、トウガラシの種が辛いんだよ、なんて言われていますが、実際のところ種は辛くありません。
さて、ちょっと話がそれましたが、シシトウの話に戻しましょうか。
辛いシシトウは、単為結果(受粉せずに実をつけてしまったもの)したものが辛いという特徴があります。種の代謝に必要な物質とカプサイシンの前駆体には共通のものがあり、種が作られない場合、カプサイシンの合成が進むと考えられます。
そのため、ストレスや何かの影響で単為結果したものが強烈な辛さを有します。
見分け方
単為結果したものが辛いので中身を割って種の少ないものが辛いので実食してみます。
こちらが種の少ないシシトウ。
こちらが普通のシシトウ。
種の少ないシシトウを食べてみると、辛い。しかもかなり辛い。
一方で、種の多いシシトウは全く辛くありません。
種の多い少ないを見れば、再現性も高く、外れの辛いシシトウを簡単に見分けることが可能です。
調理前に割って確認してから調理してもいいし、天ぷらみたいに揚げてから半分にして、種が少ないものは避けてもいいでしょう。
おわりに
辛いシシトウは、単為結果し種の少ない個体になります。中を見れば辛いか辛くないか見分けることが可能なので、辛いものが苦手でどうしても避けたい場合は食べる前に一度割ってみましょう。
辛味になれていないお子さんに出す場合も割って種の少ない個体はあらかじめ弾いておいてもいいかもしれませんね。
参考資料
とうがらしの世界
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