はじめに
家庭で作るチャーハンはパラパラにしずらく難しい料理のひとつです。
パラパラにする方法は色々考案されいて、油を使って米をコーティングする方法や溶き卵をご飯にかけてあらかじめご飯に卵のコーティングを作って調理する等々あります。
お店で使うような高火力がなければパラパラにならないと言われることもありますが、実際のところどうなんでしょうね。
今回はちょっと切り口を変えて、使う米の品種を変えます。端的に言うと、バスマティライスを用いてパラパラチャーハンを作るという話になります。
米の品種特性
美味しいご飯と言われてどのような米を想像しますか。
コシヒカリのような粘り気や甘味の強いご飯が頭をよぎります。こういった粘り気が強くモチモチとした食感を出すのは、多糖類のアミロペクチンを多く含む米です。コシヒカリの登場以降、こういったモチモチとしていて粘り気と甘味の強い品種が増えてきています。
一方で粘り気の少ない米というのもあって、アミロース含有量の高い品種があります。ササニシキに代表されるのですが、アミロースの含有量が高いと硬く粘り気のないパサついた食感となります。
さて、ここまでは日本の米の話です。では大陸ではどういった米があるのかというと、インディカ米と呼ばれる長粒種の米になります。こちらの米もササニシキと同様にアミロース含有量が高く、粘り気があまりなくパサついた食感となります。
チャーハンは米を炒めて作るわけですが、そもそも粘り気が強い品種を使って作ったらパラパラになりにくいというのは火を見るよりも明らかです。
粘り気の少ない米
30年近く前になりますが、冷夏で米が不作になってしまった年があります。このとき、東南アジアから輸入されたのがタイ米です。
年配の方はタイ米と聞くと、血相を変えてあんな不味い物を食わせるんじゃあない的な話をする人がいますが、不味いのは当然です。日本のご飯のような食べ方をしたら美味しいわけがありません。
インド料理だってただ炊いたものだけをパクパク食べませんよね。カレーと混ぜたり炊き込んでビリヤニにしたりします。ちゃんと現地で食べているものなので現地の調理法で食べれば美味しいわけです。
話はそれましたが、バスマティライスというインド食材店で買える米を使ってチャーハンを作ってみましょう。炊飯器で普通に炊き上げれば使えます。
この米の何がいいかというと、香りがすごくよく、炒め物との相性が非常にいいところと、粘り気が少ないので本当にパラパラになるところです。
バスマティライスを使ったチャーハンの作り方
〇材料
- バスマティライス 1合
- ハム 4枚
- 卵 2個
- ネギ 大さじ2
- 顆粒だし(中華) 小さじ1
- 塩コショウ 小さじ1/2
- 醤油 小さじ1/2
- ごま油 大さじ1
〇工程
バスマティライスは炊飯器で日本の米と同じように炊き、食材や調味料は小分けにして容器に入れておく
それでは画像付きの詳細な調理工程です。
バスマティライスは炊飯器で炊いておきます。特殊な操作や分量はなく、米の規定量、水の規定量で普通に炊きあがります。チャーハン用に炊くので水は気持ち少な目でもいいかもしれません。
ハムは1cm角くらい、卵は割っておく、ネギは小口きり、調味料も含めて写真のように容器に移しておくと作業が楽です。
火加減は中火で十分です。卵とハムを加えさっと炒めます。
バスマティライスを加え塊の部分をヘラやオタマで押しながらばらしていきます。
調味料を加え混ぜます。フライパンを煽って適当に混ぜれば十分です。パラパラになっているので飛び散らないように注意してください。
小口切りにしておいたネギを加え、鍋のふちに醤油をさっと垂らします。いい香りがしてきたら鍋をあおったりヘラでかき混ぜる等してよネギや醤油で味付けされた部分を散らして完成となります。
これでパラパラに仕上がります。ここまでパラパラになると自分がちょっと上手に作れたんじゃないかって思うレベルです。さてその味になりますが、結構美味しいんですよね。お店で出てきても不思議じゃないくらい。
バスマティライスの香りがチャーハンにするとすごくいい感じになるんです。
おわりに
チャーハンに使う米をバスマティライスにすると、簡単にパラパラになります。油の量や卵のコーティングなんて関係なしに、米自体がパラパラなので失敗のしようがありません。
そもそも現地で食べられている米がこういった長粒種です。粘り気の強い日本の米でパラパラのチャーハンを作るという話がおかしな話なのです。
タイ米に代表される長粒種の米はそのまま食べるとあまり美味しいものではありませんが、こういった調理をするととても美味しいので是非お試しください。
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