真空調理や低温調理をした肉から鮮やかな赤い肉汁が出てきます。ちょっと不気味で不安になったりしますが、これは低温調理がうまくいった証拠のようなものです。
はじめに
低温調理した肉の切断面から赤い肉汁が出てきます。見た目もあまりよくなく不安に思う方もいると思います。
そもそも低温調理は、タンパク質が凝固したり収縮の起こらない温度で微生物の殺菌や不活化を行います。そのため、しっとりとした生肉に近い食感が楽しめます。
しかし、ちゃんと火を通してた肉と比べる赤く本当に大丈夫か不安になります。特に肉の切断面から出て来る赤い肉汁は鮮やかでちょっと食べるのを迷ってしまう色に感じます。
赤い肉汁の正体
一見、ちょっと薄い血液に見えます。しかし、これは血液ではありません。肉のパックにも見られるドリップになります。仮に血液だったとすると凝固します。
この赤い肉汁の正体は筋肉に含まれるミオグロビンという筋肉に含まれる色素タンパク質によるものです。鉄を含むタンパク質で酸素と結合することで赤く見えます。この赤い肉汁が出てくるということは、タンパク質が変性して凝固することなく分散しているため、低温調理がうまくいっている証明になります。
温度設定に間違いがなく、所定の時間加熱していれば病原性の微生物は殺菌されたり不活化されているので問題はありません。安心して食べて下さい。
赤い肉汁を少なくする方法
低温調理の最大のメリットは、筋肉が凝固・収縮しないことによる保湿効果です。調理後の切断面から肉汁が流出してしまったら勿体無いです。
肉を休ませてからカットすると、温度が低くなるので水の粘性が低下して肉汁が流出するのに時間がかかり流出量が減るように見えます。切れ味のいい包丁でスパッと切ればそこそこ肉汁の流出量を抑えられますが、満足いくものではありません。
画像は肉を20分程度やすませてからスパッと切ったにくになりますが、肉汁が少し漏れています。
もっと肉汁を閉じ込める方法を検討したのでこちらも合わせてご覧ください。
一言でいうと、2時間以上加熱すれば肉汁をかなり閉じ込めることができる。です。
おわりに
初めて低温調理したとき、肉がプルンプルンで感動してそのまま切ったらものすごい量の赤い肉汁が出てきてびっくりしました。あまりにも鮮やかで恐る恐る食べたことをよく覚えています。
赤い肉汁はちょっと不気味かもしれませんが、ミオグロビンによるものでタンパク質が凝固したり収縮していない証拠です。温度と時間をちゃんと設定してるのであれば自信をもって食べましょう。
参考資料
三陸総合研究, Vol.34, 1-3
コメント