びっくりするくらいうま味が増します。下ごしらえとして処理して冷蔵庫や冷凍庫で保存しましょう。
はじめに
ナスって美味しいですよね。
煮ても焼いても揚げてもいいし、色々な食材との相性もよくて、秋に覚醒します。
レシピで打線を組むだけじゃなく、リーグを組めるくらい様々な食べ方があります。
色々な料理があるのですが、今回は、素材のうま味をアップさせるお話です。
ナスのうま味成分
ナスは生の状態ではあまりうま味成分が含まれていません。
一方、加熱したナスはうま味成分が増加します。そのうま味成分はグアニル酸です。しかし、加熱方法が微妙だと、グアニル酸は分解してグアノシンとなります。
ということで、加熱方法には温度コントロールが必要です。
文献によると、70℃では分解が進みグアノシンになってしまい、90℃だと酵素が失活してうま味成分が増加しないため、80℃がいいとのこと。
炊飯器の保温モードは70℃前後を保持するため使えません。低温調理器などの器具をつかいましょう。
試験方法、結果
文献値では、80℃での保温時間を長くすることでうま味が増す、とあるので80℃で時間を振ります。
時間は、30分、1時間、2時間、3時間、4時間の5点をとります。
結果がこちら。
左から、30分、1時間、2時間、3時間、4時間です。
見た目は何も変わらないので半分にしてみます。
中身に差があるようには思えませんね。
適当に切って刺身にしてその実力を確かめてみます。
どれも美味くてあかん。差がない。
1時間以上加熱した物の方が香りが良さそうだけど、味に差がないのが不気味というか失敗だ。
試験方法がダメでした。
加熱を終えたらちゃんと100℃にして酵素反応を止める必要がありました。加熱方法を工夫すれば同時に試験を終えられるのですが、やってなかった。
食べるために1日くらい置いているので、酵素反応が進行しきってしまったのが味に差がないという結果に至ったのでしょう。
でも全部美味しかったので、下ごしらえとして粗熱を取り冷蔵庫で保存したり、カットして冷凍保存するのには向きそうです。
時間を振った味の違いは後日。
オススメの料理
〇刺身
素材の味を味わう日本人の大好きなやつ。皮は剥いてもよかったかもしれません。
ショウガ醤油でお楽しみください。
〇炒め物
うま味と脂を多く含む豚バラ肉と炒めます。
ナスってこんなに美味しかったのってびっくりします。
おわりに
ナスは低温調理することで驚くほど美味しくなります。
食べ方は、そのまま切って刺身のように食べてもいいし、食材として炒め物に使ってもいいでしょう。どちらもこれまで食べていたナスとは思えない力を発揮してくれます。
温度管理は低すぎるとグアニル酸の分解が進みグアノシンになってしまうのでダメ。逆に高すぎると酵素が失活してしまうのでグアニル酸が生成しません。
80℃で保持可能な器具をご用意ください。
参考資料
野菜茶業研究所研究報告書, Vol.13(2014), 9-18
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