水を拭き取るのに最適な超吸水PVAクロス

人工セーヌ、PAV吸水クロスといった製品は、野菜の水分や調理台の拭き取り、食器の水分の拭き取り、入浴時はタオルの代わりにと用途は多岐に渡り大変便利な製品です。

目次

はじめに

水の拭き取りには紙や綿素材の雑巾やタオルが使用されています。

紙は使い捨てのため経済的でなく、タオルで水分を拭き取ってもすべての水分が取れるわけでもなく、少し残ってしまったりすることがあり、多くの水分を吸えないという欠点があります。

これを解決する画期的な製品がPVA(ポリビニルアルコール)製のクロスやスポンジといった製品です。乾燥時は硬いのですが、一度水を吸わせて絞ると滑らかで吸水量も多いのが特徴です。吸水力が高いため、水滴が渇いたときに残る水垢を防ぐため、自動車用品ではよく使われていました。

非常に優れた製品なので自動車の洗車だけに使うのはもったいないので我が家では風呂場やキッチンで使っています。定期的な除菌をすればニオイも防げて使用上の問題はありませんし、何より水の拭き残しに起因するストレスを軽減できて大変便利なものです。

今回は使い勝手の良いPVAクロスを紹介します。

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PVAクロスについて

セーム、セーヌ、スポンジ、クロスなど様々な名前で売られていますが、材質がPVA(ポリビニルアルコール)製なのでここではPVAクロスと表記を統一させていただきます。

PVAクロスは雑巾のような繊維を織り込んだものではなく、多孔質でスポンジを薄くしたような形状です。

濡れているとしっとりした柔らかい質感をしています。水をしっかり吸い、拭き残しもないので水垢を残したくないガラス製品から水滴を拭き取るのに最適で自動車の洗車用品としてよく販売されています。ただし、破れやすい欠点があります。

破れにくいPVAクロス

PVAクロスの欠点は破れやすい点です。特に力の強い男性が気持ちよく絞ると破れます。破れやすい製品には特長があり、心材の入っていない製品はすぐに破れます。

これは際限なく絞れてしまうため、加減を誤るとすぐに破れてしまいます。対策として心材を用いた製品が販売されています。心材は強度のあるポリエステルなどが使用されています。使うとわかるのですが、切れるまで絞れない感じでしょうか。PVAクロスの弱点が消えた大変便利な製品です。

新品だと分かりにくいので使い古したPVAクロスをご覧ください。

二年ほど毎日使い続けて端部がほつれてくる程度で端部以外が破れることなく使えています。基質のない製品ですと、破れやすくここまで長持ちしません。

PVAクロスの使用感

売られている状態は水分を含んだ柔らかい状態で販売されています。複数個入っている製品は次の画像のように小分けに包装されています。

中を取り出すとこんな感じです。

しっとりしていて触り心地がよい、といのうが第一印象です。

湿らせた状態で販売されているため菌が増殖しいないように静菌剤が使われていることがあります。そのため新品を使う前には何度か水を吸わせて絞ってを繰り返して洗いましょう。

絞る強さは軽く絞るだけで十分です。吸水量が非常に多いため、雑巾のように硬く絞らなくても十分に水を吸ってくれます。

一番オススメしたい使い方は、風呂場での体拭きです。水泳をやる人に馴染みのある使い方でしょうか。風呂場でほとんどの水分を拭いてからバスタオルを使うと、ものすごく気持ちいいんですよね。ふんわりしたバスタオルの感触が長続きして最高です。

雑菌対策

吸水クロスの材質はPVAです。PVAは熱水に溶けるプラスチックなので鍋でグツグツ煮ることはできません。また、アルコール、酸、アルカリに対しても可溶なのでキッチンハイターやカビキラーなどで長時間のつけ置きもオススメできません。

実際にキッチンで可能な菌対策は、熱湯で短時間の加熱、過炭酸、逆性石鹸を用いた殺菌くらいです。

短時間の加熱は、ボールにタオルをいれ沸かしたお湯をかけて数分そのままにする除菌を行えば嫌な匂いは消えます。若干折り目は付きますが、溶け出してグズグズになる、絞るとボロボロになるような劣化は見られません。ただし、繰り返すと繊維が薄くなるのか吸水性が落ちてきます。長く使いたい場合は過炭酸か逆性石鹸をオススメします。

過炭酸による除菌は、文献によると中性域、30℃以下でという条件付きになりますが、この条件であれば分解はおこらないとのこと。水1Lに対して大さじ1/2を入れ使用します。20-30分つけ置きすれば除菌完了となります。

ニオイの出てるやつを除菌するとニオイは消えます。ただし、漂白作用があるため、徐々に色が抜けていきます。

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逆性石鹸を使った殺菌も楽です。希釈して漬け置くだけで色落ちもしません。ただし、手荒れの原因になったりもするのでよく洗う必要があります。

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寿命

二年使ったものがこちらです。

最初は青色でしたが、加熱を繰り返すうちに色が抜けました。定期的に除菌をしているため、ニオイもありません。端部の破れが見られますが、問題なく使用できます。

一応消耗品なので定期的な交換をしましょう。我が家では1年を目安に交換しています。

マイクロファイバーとの違い

水をよく吸い取る製品としてマイクロファイバーもよくあげられます。

マイクロファイバーは文字通り、細い繊維の集合体です。毛細管現象を利用して水分を多く吸うことを狙ったもので、吸水性能はなかなか。しかし、一度水分を吸うと乾燥するまで再び水分を吸わせるのは難しく、期待ほどの効果は得られません。

一方でPVAクロスは絞って濡れていても水分を吸って拭き残しがないので性能差は一目瞭然です。

おわりに

PVA製のクロスは100円ショップやホームセンターでもキッチン用品売り場で見かけるようになりました。多くは強く絞ると切れてしまうため、芯材の入った製品を選ぶと切れにくく長持ちします。

オススメはアイオンの拭き取りクロスという製品です。心材が入っており、切れにくく長持ちします。2年くらい使った物は端部が少しきれたりしましたが、破れるといったことはありません。

風呂場で体を拭いてもいいし、風呂場やキッチンの水滴を拭き取ってもヨシ。水関係ならなんでも使えます。購入はこちらのリンクからお願いします。

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参考資料

主なプラスチックの特性と用途 日本プラスチック工業連盟

高分子化学, Vol.173, No16(1959), 565-570

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