冷蔵庫選びのポイント

冷蔵庫は、大は小を兼ねる製品です。予算と置き場に余裕のある限り、大きめの製品を選びましょう。

目次

はじめに

冷蔵庫はなくてはならない家電のひとつです。使用者の生活様式に合わせて、小型から大型の製品、内部のレイアウト、性能など様々な製品があり、どれを選んでいいかすぐに判断できる人はいないと思います。

一般的な選び方は、使う人の人数+何Lみたいな大まかな選び方から紹介されていますが、冷蔵庫に限っては大は小を兼ねる製品です。設置場所と予算の許す限り大きい物を選ぶのが正解と言えます。

というのも、冷蔵庫の電気代は冷蔵庫の大きさに比例しません。ある程度の大きさになると、消費電力は同じくらいになってしまい、150Lと300Lの冷蔵庫でほとんど変わらないということもあります。

大きい冷蔵庫だと、食材(素材や冷凍食品)、飲み物、調味料を入れれらるスペースが増えるので生活の質が上がります。冷蔵庫は、PCのメモリや作業机のようなものなので、大きいものは正義というわけです。

冷蔵庫の消費電力量

冷蔵庫の電気代は年間消費電力量という形でカタログに記載されています。この指標は算出方法が決まった物で、各社同一条件で行っているため、電気使用量の算出を単純に比較できます。

各メーカー(パナソニック、日立、東芝、三菱、アクア、アイリスオーヤマ)の各冷蔵庫からこの数字を拾ってきて冷蔵庫の大きさと年間消費電力量でグラフを書いてみます。

結果はこんな感じです。120L以下の小型のではリニアな増加が見られますが、150L程度から400L弱までは緩やかな増加が見られます。一方、400L以上の大型の冷蔵庫になると、バラツキはあるものの消費電力は少なくなります。

400Lを境に数字がばらけているのは、冷蔵庫の個性と思われます。400Lより小さい物は冷凍庫や野菜室の位置は同じでメーカーの特色がなく、400L以上になると野菜室の位置が中段だったり扉が観音開きになる製品があったり各社個性を出した製品が販売されています。特定のメーカーの消費電力量が大きいというわけではなく、同一メーカーでも機能や構造で変わる結果でした。

消費電力が、一人暮らし向けの150L程の小型の物と、家族向けの400L以上の物で同程度というのは意外な結果だと思います。一人暮らしだから小型でいい、家族が多くないから大きくなくてもいい、と考えるよりも、容量は正義で予算とスペースの許す限り大きい冷蔵庫を買ったほうが生活に余裕が持てるでしょう。

また、買い足すとそれだけ電気代を食うので、買い足すくらいなら初めから大きい物を買ったほうがいいと言えます。

価格の安いアクアってどうな

悪くはないです。以前355Lの製品を使っていましたが、しっかり冷えますし、使っていて不満はありませんでした。

他方で、製品の口コミサイトを見ると、ドアが閉まらないとかすぐ壊れたと書かれていることがあります。こういう口コミを目にすると、買っていいものか不安に思えてきます。

しかし、どんな製品にも初期不良はかならずありますし、ドアだって中を詰めすぎていたり水平が取れていないと開いてしまうことがあり、製品やメーカーが粗悪品を売っているわけではありません。そもそも、そんな粗悪品を売っていたら、品質に厳しい日本市場での事業展開は不可能です。何年も日本で販売を継続できているので、実績は十分といえます。

余計な機能を必要とせず、とにかく安い物が欲しいのであればオススメです。まわりで使っている人に感想を聞いても普通の冷蔵庫だよってくらいで、安かろう悪かろうというものではありません。

国内メーカーの冷蔵庫ってどうなの

価格に見合った良さはあります。

機能や構造に特徴が出てくるのは400L以上の製品で、それより小さい製品の機能や性能は大きく違いません。400L以上の大きい冷蔵庫になると、中段に野菜室のある冷蔵庫や冷蔵室が観音開きの物など趣向の凝らした製品が見られます。このクラスになってくると、庫内が非常に明るく見やすいものも見られます。冷蔵庫に必要な冷やす以外の機能に、人間が使いやすいと感じる工夫が随所にされており、使う人の個性に合わせた物を選ぶ必要がでてきます。

個人的なお気に入りの機能は、パーシャルとチルドが別の部屋になっているところです。チルドは0℃くらいなのに対しパーシャル-3℃なので凍らずに食材が長持ちします。

パナソニックの強み

パナソニックは冷蔵庫の構造が他社と違います。通常、コンプレッサーが背面の一番下にありますが、手の届きにくい上部に持ってくることで下段の容量を大きく取れるようにしています。

このように冷蔵庫上部にはでっぱりがあり、この裏にコンプレッサーがあります。一見、冷蔵庫の容量が小さくなっているように見えますが、この部分は大人の男性でも手が届きにくいのでデッドスペースになりがちです。ここにコンプレッサーを持ってきて下段の容積を増やすのは大変理にかなっています。

スペースを有効利用したい場合はパナソニックの冷蔵庫一択です。

その他の会社と機能

野菜の鮮度保持、冷凍庫の性能など、似たような性能に異なる名前が付いています。

例えば、消臭性能では、プラズマクラスターとナノイーの違いは分かりますでしょうか。どちらもニオイや雑菌を分解してくれるイオンのような何かを生成する製品に見えます。

他にもパナソニックのパーシャルは、東芝では氷結晶、三菱では氷点下ストッカーといった感じです。

このように似た機能が多く飛び抜けた性能を持った製品はありません。国内メーカーの高機能な冷蔵庫であれば、ほとんどが似た機能を有しています。

消臭、脱臭機能

冷蔵庫はニオイがつきやすい製品です。これは内部がプラスチックなことと低温で使用するため、理屈上避けられないといったところでしょうか。

ニオイ対策として、各社工夫が見られます。光触媒を用いたものや、プラズマクラスターやナノイーといった所謂マイナスイオンで分解するものがみられます。

光触媒もマイナスイオンも同じように思われますが、両社は全く異なるものです。光触媒は日本で発見、実用化された技術で基礎研究から応用製品まで様々な物が存在します。一方でマイナスイオン系の製品は、基礎研究がされおらず、実態はイマイチわからないものです。

大企業が宣伝してるんだから効果があるに違いない、と思われる方がいますが、大企業が売ってるから効果があるわけではありません。発売当初から怪しい製品と言われてきました。

一般的に物質を分解するには大きなエネルギーが必要です。しかし、マイナスイオン系の製品は、人体に無害なのにニオイを分解するという説明がされています。ニオイを分解するくらいに強力な物質なら、人体に無害なわけがないと考えるのが普通です。

ちなみにこれらはオゾンではないかといわれており、検出されたのが雑誌で紹介されているので気になる方は文献を見てみてください。

冷蔵庫の見た目

最近の冷蔵庫にガラストップの冷蔵庫が増えてきました。見た目はいいのですが、ガラス面は磁石がくっつきません。フックやクリップを固定させるためには、吸盤や両面テープが必要になります。

ちょっと不便に思えますが、ガラストップの冷蔵庫は見た目がすごくキレイです。見た目って結構大事で使うときに大事に使おうと思えたり、インテリアとして部屋と調和したりするので見た目が購入の動機になってもいいと思います。

自分の生活に合った冷蔵庫を選ぼう

自分が選んだときの決め手は、真ん中が野菜室でペットボトルを収納できるという点でした。

野菜室が真ん中にあると、屈まずに野菜室が使えます。野菜室という名前が付いていますが、野菜以外も保存できますし、何より手前側にペットボトルなどの飲み物を置けて便利です。

デメリットは冷却効率が落ちるため電気代が少し高いと言われています。しかし、大型の冷蔵庫はそもそも消費電力が小さいので、あまり気にすることはないと思います。

下段が野菜室の冷蔵庫から真ん中が野菜室の冷蔵庫に買い替えてから色々楽になり、買い替えてよかったと実感しています。

おわりに

冷蔵庫は毎日使う家電のひとつです。そのため、自分の使い方に合った製品を選ぶ必要があります。まずは店頭に出向いて開け閉めして実機を触ってみましょう。

すべての人にオススメしたいのは、予算と置き場が許す限り大きい製品を選ぶことです。料理好きなら真ん中が野菜室の物をオススメします。野菜室の使用頻度が高くなるので作業が楽になります。

容量は正義です。ストックできれば買い物の頻度も減らせるし、置き場が足りないことも避けれます。思い切って大きい冷蔵庫を買いましょう。

参考資料

各メーカーカタログ

感染症学雑誌, Vol.86, No.6(2012), p723-733

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