ニオイがくっつきやすい理由や洗い方を紹介します。
はじめに
テフロンのフライパンは食材が焦げ付きにくいため洗いやすく重量も軽いのが特徴です。欠点をあげると、材質が樹脂なので耐久性が低いこと、ニオイが付きやすい点になります。
耐久性については急冷却と過度な加熱を避ければ多少長持ちしますが、1-2年で買い換える必要があります。
一方でニオイについてはしっかり洗ってもなかなか落ちないのが現状です。特にカレーのようなスパイスを多様する料理を作ったあとは、次の料理にニオイが残ってしまいます。
汚れがつきにくい素材なはずなのになぜニオイがつくのか疑問なところです。その原因は素材の特性にあります。
ニオイがくっつく原因
テフロンのフライパンのプロモーションで、油なしで目玉焼きを焼いたり、水だけで汚れを浮かせて洗うといった映像を見たことはありませんか。テフロン製品は汚れがつきにくいことを売りにしています。
これは材質に由来するもので疎水性のため、水をよく弾きます。食材の大部分は水分なので食材がくっつきにくくなるわけです。
ここで問題になるのはテフロンが疎水性な点です。水をよく弾く特性はありますが、水に溶けにくいニオイ成分のような疎水性の分子を吸着してしまいます。疎水性を利用したニオイ分子の吸着は脱臭剤の活性炭に見られ広く家庭で使われています。
吸着剤に共通する特徴に、一度吸着したら脱離させるのが難しい点があげられます。一度ニオイを吸ったら吐き出さないというのが吸着剤のいいところでもあり、弱点でもあるわけです。
活性炭なんかは消臭剤としてよく使われていますが、ニオイをたっぷり吸ったものが臭いというのも見られません。同様の減少がテフロンのフライパンでも起こっているため、きれいに洗ったつもりでも次に料理をするとニオイが出てきたりします。
テフロンのフライパンからニオイ分子を取り除く方法
ちゃんと洗ったつもりでも次の料理でニオイが残ってしまうというのは多くの方が経験してると思います。これは、洗っただけでは落ちなかったニオイ分子が加熱によって脱離したためです。吸着は発熱反応なので脱離はその逆になります。したがって加熱によって取り切れなかったものが出てくるとも言えます。
加熱以外に脱離させる方法は、薬品によって表面の状態を少し変えてあげる必要があります。
オススメはハイターやカビキラーの浸け置きです。高アルカリで脱離させ、次亜塩素酸でニオイ分子を叩くのが非常に有効です。テフロン自体、薬品に対する耐久性が高いので劣化や腐食を気にする必要はありません。
ハイターが強烈すぎるという場合は、重曹もオススメです。アルカリ性に傾くのでそこそこニオイ分子が脱離します。より高い効果を狙うならぬるま湯やお湯を併用しましょう。
おわりに
テフロン製のフライパンは、ニオイが落ちにくい欠点があります。これはテフロンの疎水性に由来するため避けられないものです。対策はハイターで浸け置きをしたり、重曹水を加熱するなどしてニオイ分子を除去しましょう。
一度ついたニオイを完璧に取り除くのは非常に難しいですが、これでかなりマシになります。
参考資料
オレオサイエンス, Vol.,2 No.5(2002), 275-281
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