はじめに
低温調理器は様々なメーカーから販売されています。
低温料理の代名詞ともいえるANOVAは日本に代理店がなく、購入する場合、並行輸入品を購入するか、個人輸入する必要があります。その場合、割高だったり、関税がかかったりします。
ANOVAと同価格帯でBONIQという製品があり、日本でシェアを伸ばしています。最初はANOVAの類似品でしょ、なんて思っていましたが、使いやすい構造をしていて素直に良いと思える製品です。
そのBONIQから新製品のBONIQ 2.0が販売されたというので今回はその紹介の話になります。
低温調理器の決定版なんていうBONIQ 2.0ですが、その真価はどうなんでしょう。
性能比較
次表にこれまで販売された製品のスペックなどをまとめます。
BONIQ 2.0 | BONIQ pro | BONIQ(初代) | |
サイズ | 高さ:31cm 幅:5cm 重量:1㎏ | 高さ:31cm 幅:5cm 重量:1㎏ | 高さ:37cm 幅:10cm 重量:1.2kg |
材質 | プラスチック | アルミ合金 | プラ+ステン |
出力 | 1000W | 1200W | 800W |
湯煎容量 | 5-15L | 5-20L | 5-15L |
温度 | 5-95℃ | 5-95℃ | 5-100℃ |
設定温度 | 0.5℃刻み | 0.5℃刻み | 0.5℃刻み |
分解能 | 0.1℃ | 0.1℃ | 0.1℃ |
防水性能 | あり | あり | なし |
取説 | 日本語 | 日本語 | 日本語 |
WI-FI | 2.4GHz | 2.4GHz | なし |
プラグ | 2P | 2P | 2P |
製造国 | 中国 | 中国 | 中国 |
保証 | 家庭 1年 | 家庭、飲食 1年 | 家庭 1年 |
価格(税別) | 20000 | 29800 | 19800 |
BONIQ 2.0はBONIQ proをベースにコストダウンしたとのことで、スペック上はほとんどBONIQ proと同じです。異なるのは材質と保証、ヒーターの出力くらいでしょうか。出力が小さいことが欠点に思われますが、差は2割程で実用上で不便に感じることはありません。加熱時間がほんの少しだけ長くなるだけで、水が温まってしまえば大きい出力は不要です。
ヒーターの出力が低いヨーグルトメーカーを例にあげると、出力は60Wくらいになります。この小さい出力でも加温でき、低温調理可能なので出力が少し小さいのは無視してしまってもかまいません。
他には、ボディの材質がプラスチックになったため、ぶつかったときに凹みにくく、扱いやすくなったと思います。ヒーターがステンレスでボディがアルミだと電蝕の恐れがありましたが、プラスチックであれば電位差が起こらず腐食しないと考えられます。
何より価格が落ちたのが一番魅力的といえます。
使用方法
それでは早速使ってみます。
操作はすごく簡単です。電源を入れ、温度、時間を設定してスタートする手順となります。
実際に操作する場合は、BONIQの上部のBONIQと記載された面(以下、操作画面とする)をタップしながら操作します。まず、電源を入れると、操作面に赤く表示された再生マークに似たマークが表示されます。
これをタップして温度の設定画面に進みます。タップすると、白色で℃/🕔表示されます。ここをタップして温度と時間の設定となります。
一度タップするとCと表示され点滅するので所定の温度まで+もしくは-を押して設定します。設定後、もう一度、白色で表示される℃/🕔と表示されている場所をタップすると時間の設定となります。こちらも+-を操作して時間と分を入れれば設定完了となります。
あとは赤い部分をタップしてスタートすれば加温が始まります。詳しくは取説を見ていただえたらと思います。
本体のメンテナンスは、底部のパーツを外して行います。開けるとこんな感じ。
水流を発生させる撹拌子とコイル状のヒーターが見えます。結構コンパクトな構造で驚きます。内部が汚れてきたらクエン酸やブラシで洗浄しましょう。
次はWi-Fiを設定してみます。
設定方法は、取扱説明書に記載されておらず、ガイドブックの最後の方のページから設定方法が解説されたPDFをDLする形になります。
https://boniq.jp/recipe/wp-content/uploads/2020/08/BONIQ_Remote_GuideBook.pdf
手順は難しくなく、アプリを使ってBONIQ本体と接続するというものです。スマホにアプリをインストールしてアプリに表示される通りに進めます。アプリがWi-Fiに接続されていることが必須条件となります。
アプリを立ち上げるとこのような画面が表示されます。
STARTボタンをタップすると会員登録画面が出てきます。新規登録を済ませてログインし、Wi-Fiの設定画面となります。
スマートフォンがWi-Fiに接続されていると、SSIDが自動的に入力されるとありますが、なんど試してもダメです。android、iPhoneどちらを試してもダメ。アプリのレビューを見ても接続できている人があまりいません。
使用感、良いところ、悪いところ
まずは良いところ。良いところは2点あります。
ひとつめ。
鍋との接続がクリップなので脱着が楽なところです。
これはBONIQ 2.0でもつけ継がれています。ANOVAなんかはネジで回して脱着するので扱うのが面倒なんですよね。ワンタッチでいけるクリップ方式はとても便利です。
ふたつめ。
本体の底部に磁石がくっついているため鍋で転倒しにくい点です。
使うとわかるのですけど、磁石があると作業性が向上するんですよね。グラグラしないので倒れにくいところが地味に嬉しいんです。ANOVAだと磁石ついていません。
BONIQ自体がユーザーの声を反映させて製品化したみたいなことが記載されているので、その辺はメーカーさんさすがだなと言った感じがします。
BONIQ proは3万円程でしたが、これが2万円くらいで買えるんだったらアリだなと思います。まぁ、良いところばっかりではないので次は良くないところを。
次に良くないところ。
BONIQ 2.0の良くない点は一点のみ、Wi-Fiがダメな点です。
実際に接続を試みましたが、androidとiPhoneどちらも接続できませんでした。接続方法は取扱説明書に記載がなく、ガイドブックの最後の方のページからアプリと設定方法のURLが記載されています。
こちらが設定方法が解説されているPDFになります。詳細はリンク先からDLしていただけたらと思います。
https://boniq.jp/recipe/wp-content/uploads/2020/08/BONIQ_Remote_GuideBook.pdf
ここにあるように設定を進めると、スマートフォンがWi-Fiに接続されていれば自動でSSIDが入力されるそうです。その後、パスワードを入力して接続が完了すれば使えるとのこと。
自分だけが上手に設定できないのか、アプリのレビューを見ると設定できてない人が結構います。免責事項には購入者の接続環境に起因した接続不良は返金の対象外とされていますが、取扱説明書に記載された接続がうまくいかない以上、不良と考えるのが普通です。優良誤認やWi-Fiを使う前提で購入を検討している方は注意が必要でしょう。
小型でシンプルな構造、使いやすいクリップ等々、ハードがめちゃくちゃいいだけにすごく残念です。
買うべきか
Wi-Fiでスマホから制御して温度を何ステップかでコントロールしたり、外出先からオンオフしたい人は辞めたほうがいいと思います。
Wi-Fiなんて使わないよって人は買いです。
私自身、外出先から加熱したりスイッチオフしたりすることがないので、Wi-Fiの必要性を感じません。アプリを使った温度を数ステップに分けてコントロールするのは魅力を感じます。ただ、そこまでやる料理が思い浮かばない。
価格が2万くらいって高く感じるかもしれませんが、実績のあるメーカーが保証を付けて販売しています。ヒーター出力が1000Wもあるので漏電や発火のリスクを考えると、安物の謎中華ではなく、実績のあるメーカー品を購入しましょう。
おわりに
BONIQ 2.0は、BONIQ proとほぼ同じ大きさです。違いは出力が2割落ちたことと、筐体がアルミ合金からプラスチックに変更された点になります。
BONIQ pro同様Wi-Fiでの操作に難が残ります。とはいえ、Wi-Fiを使って外から操作をしたり、何段階か温度と時間をコントロールしない人には不要なものです。
課題はWi-Fiくらいでハードとしての完成度は高く、低温調理器の決定版なんて公式が言う理由もわかります。買い替えるならこれかなと思うくらいですね。
価格はproモデルから3割程落ちているので間違いなく買いです。出力の大きい電化製品なので、ちゃんと実績のあるメーカーの製品を購入することをオススメします。
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