山梨県オリジナル品種です。次世代シャインの中でも抜群に美味しいと評判の品種。
はじめに
シャインマスカット(以下シャイン)は皮ごと食べられる種無しの緑系のブドウとして人気を得ています。初めて食べたときは、なんて美味しいブドウなんだと感動しました。
当時、ブドウといえばデラウェアや巨峰ばかりで、皮は食べられず、巨峰に至っては種が必ず入っていました。また、これらはグニュっとした食感が共通していたのでシャインの種がなくパリっとした食感に衝撃を受けたのを覚えています。
気づけばあっという間に生産量も増え今ではどこのスーパーでも手に入るようになり、日本から持ち出された苗で海外では日本の数倍の作付けが行われていると言われています。それだけ傑出した品種ということです。
良い品種が生まれると、それを親にして次世代の品種開発が盛んになります。青果の強いスーパーを見るとシャインを親にした品種を見かけることも増えてきました。数ある次世代シャインの有望株として一部のフルーツマニアに話題なのが「サンシャインレッド(甲斐ベリー7)」です。
サンシャインレッド(甲斐ベリー7)の親は、シャインとサニードルチェをかけあわせて作られた赤系のブドウになります。
サンシャインレッドの味
味はシャイン同様に甘く、種無し皮ごと食べることができ食感はサクサクです。最も印象的なのは複雑な香り。かじった瞬間に弾けるマスカット香と乳酸飲料に似た甘い香りが広がります。初めて食べたときはあまりにもの香りの良さに衝撃を受けました。こんなに美味いブドウがあるのかと、膝から崩れ落ちそうになりました。
色はサニードルチェに似ていて真っ赤にするには日光を当てる必要があるそうです。ぶどうの食べ比べ会で頂いた個体は真っ赤に染まっていてまるで宝石のような美しさでした。育成技術によってこの辺は変わってくるとのこと。
群雄割拠の次世代シャインのなかでもとびきり美味しいため、個人的に大変期待をしている品種です。
他の次世代シャインたち
シャインマスカットの子どもたちは数多くの品種が世に出てきています。
・コトピー
・雄宝
・バイオレットキング
・天恵
・富士の輝
・クイーンマスカット
・小指の思い
・神紅
・マドンナの宝石
・ジュエルマスカット
・天晴
・マスカットノワール
・マイハート
・我が道
・クイーンセブン
・クイーンルージュ
・マスカサーティーン
・スカーレット
・ほほえみ
・恋人
・ヌーベルローズ
・ベルニーナビアンコ
こんなにいるの、と思われた通り、これらはシャインの子供たちです。個別に撮影してあるものは個別の写真を掲載しています。
シャインマスカットは緑色ですが、子供たちは色とりどりで形まで個性的です。マイハートはハート型をしていて見た目がすっごく可愛かったりします。
どの品種もシャインの特徴を色濃く受け継ぎ、皮まで食べられて大変甘い品種です。香りや食感がそれぞれ違っていて食べ比べるとどれも違うよね、という程度には違います。例えば硬くパリっとした食感なのはクイーンルージュ、一方柔らかめなのはマスカサーティーンです。特に美味しくてき記憶に残っているのはヌーベルマスカット、クイーンセブン、クイーンルージュ、コトピー、ベルニーナビアンコあたりです。
過渡期なので色々なものが出てきていますが、いずれ淘汰され残るのは数種類になるのではないかと思われます。現在はほとんどの品種が手に入り、色々試すことのできる貴重な時期です。ブドウが好きな方はぜひ逃すことなく試してみましょう。
オオゼキ下北沢店や新宿高島屋地下の青果店では数多くの品種が販売されています。初めて見る方は圧倒されるはずです。
おわりに
シャインマスカットは、日本のブドウ史に残る傑出した品種です。現在は新品種の親としても引っ張りだこなので色々な次世代シャインを味わうことができる貴重な時期でもあります。
これらの次世代シャインの中で特に有望なのがサンシャインレッド(甲斐ベリー7)です。香りが抜群に良く、シャインの子供たちの中で頭一つ飛び抜けた文字通り新品種と言えます。
生産量が増え入手しやすくなるのは少し先になりますが、見かけたら手にとって食べてみてください。
参考資料
農水省 登録品種データ 甲斐ベリー7
「甲斐ベリー7」の栽培管理手引き
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