シャドークイーンをヴィシソワーズにします。紫から青紫のスープは6月のアジサイを連想させ、季節を感じる料理となることでしょう。
はじめに
シャドークイーンは、紫色の色素アントシアニンを多く含む紫色のジャガイモです。特別変わった栽培や味はありません。ですが、アントシアニンの強烈な紫が印象的な作物です。
食べ方はジャガイモの調理法であればどんな料理にも使えますが、ヴィシソワーズが色味もよく調理工程によって色が変わる面白い料理になります。
ヴィシソワーズの作り方
基本的な材料、レシピになります。
◯材料
シャドークイーン 3個
タマネギ大 1個
ニンニク 1片
ローリエ 1枚
オリーブオイル 大さじ2
塩 小さじ1/2
固形ブイヨン 1個
白ワイン 100mL
水 400mL
牛乳 600mL
ディル ひとつまみ
◯工程
1.弱火で加熱した鍋にオリーブオイル、タマネギ、ニンニク、ローリエ、塩を入れ、タマネギが透き通るまで炒める
2.白ワインを入れ加熱しアルコールを飛ばす
3.水、ブイヨン、ジャガイモを入れ柔らかくなるまで煮る
4.ローリエを取り除き、ハンドブレンダーで鍋の中でよく潰す
5.牛乳を入れよく混ぜ冷やしたら完成
ざっくりとした流れはこんな感じです。
それでは画像を交えた詳細な作り方を紹介します。
まずはシャドークイーンの外観と中身を。
普通のジャガイモと違い、濃い紫をしています。輪切りにしてみても中身まで紫色。ほんのり不均一になっています。
スープでは皮は邪魔なので皮をしっかり剥きます。皮を剥くとなんとも毒々しい色。
それでは調理開始です。
オリーブオイルを弱火で加熱してみじん切りにしたニンニク、ローリエ、塩を加えます。
それから角切りにしたタマネギを加えて透き通るまで炒めます。
タマネギが透き通ってくると、これだけで美味しそうな匂いがしてきます。
ここに白ワインを加えてひと煮立ちさせアルコールを飛ばします。
それからシャドークイーン、ブイヨン、水を加えます。ブイヨンはマギーのやつで作りました。
煮てシャドークイーンに火が通ったらハンドブレンダーで潰していきます。ミキサーを使ってもかまいません。よりなめらかな口当たりにしたい場合はこし器にかけましょう。
潰すとこんな感じで芋の紫色が鍋に広がります。
糊のような粘りが出てしまった場合は、モルトパウダーを少し加えれば粘りは消えます。すぐに食べない場合は加熱してアミラーゼを失活させておかないと甘くなってしまいます。
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ここに牛乳を加えて冷やせば完成となります。
温めればポタージュスープ、冷やせばヴィシソワーズとなります。
冷やすと色が青系にシフトして何とも言えない綺麗なスープとなります。ディルをひとつまみ加えれば完成です。今回はディルが手元になかったので同じセリ科のニンジンの葉を加えました。
仕上がりはとても上品な味です。ブイヨンの出汁とジャガイモの甘さが心地いい。ニンジンの葉の香りがアクセントとなり、とても美味しいスープとなります。
見た目の色は見慣れないのでちょっと微妙かもしれませんが、アジサイのような薄い青色を連想させ、さながら6月のスープといった感じでしょうか。
花瓶にアジサイを挿してテーブルに添えるだけでいい感じになります。
アジサイ自体はアルカロイド系の毒を含むので食べれませんが、似た色が出せるというのは魅力に感じます。
スープの色の変化
温めると赤紫色、冷ますと青色になります。
画像左が温めたもの、右が冷ましたものです。
この色の変化は可逆的で一度変化しても温めたり冷ましたりすることで色が変化します。
一見、変色のように見えますますが、見なれない青い色なだけで味が変化することはありません。
最初はpHでも変わっているのかと思いましたが、6.8くらいのpHで温度変化のみで色が変わるので温度によってアントシアニンの構造が変化してるんじゃないかなと思われます。
ちなみに温度が40-50℃以上になると赤紫色になってきます。冷ますのは冷蔵庫で冷やした場合なので10℃以下にするとこのような色になります。
おわりに
シャドークイーンは紫色のジャガイモで食卓に彩りを添えたい場合に有用な作物です。
特にヴィシソワーズにすると青系の色になります。6月のアジサイの青を連想する綺麗な色になるので梅雨の時期のスープとして食卓に出してみてはいかがでしょうか。
アジサイを花瓶に挿して食卓に添えれば雰囲気も増してより美味しい食卓になると思います。
里芋で作ったヴィシソワーズも美味しかったのでぜひお試しください。
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