シュールストレミングを食べよう

目次

はじめに

世界一臭い食べ物をご存じでしょうか。

ご存じの通り、スウェーデンのシュールストレミングというニシンの缶詰になります。原型は魚の塩蔵品なのですが、くさやと同様に塩を節約したもので腐敗はしてないけど発酵はしていて食べられるというものです。人間にとって有用なら発酵というそうなので、発酵食品ということになります。

臭いけど美味しいらしく一度は食べてみたい食品の一つでした。今回はシュールストレミング食べてみます。そんでもって美味しく食べる方法もあわせて紹介します。

開封の儀

シュールストレミングは発酵によってガスが発生します。そのため缶詰内部は圧が高く、そのまま開けると内部の液体が飛散してしまいます。言うまでもなくこの液体も臭うので服や手に付着するのを未然に防ぎましょう。

ということで水の中で開封します。

水中で缶切りを刺し液体やガスを出して内圧を下げれば普通の缶詰と同じように開けられます。

内部はこのような感じです。風上にいるんですけど結構臭いがヤバイ。そしてハエがちらほら寄ってきます。あいつらにとってはこれが美味しく感じるようです。

缶詰の汁はちょっと白濁しています。そして内部の状態は結構よさげです。中身のニシンの切り身も崩れておらず綺麗ですね。普段目にするニシンよりもサイズがかなり小さく見えます。こういう種類のニシンなんでしょうか。

見た目では伝わらないのですが臭いは強烈で、これからこれを食べるの?というお気持ちです。

食べ方になりますが、お酒や水で洗ってから食べます。これは臭いを軽減するためです。

さて、儀式も終わりましたので食べてみましょう。

口へ入れた瞬間、強烈な臭いが襲ってきて飲み込むことができませんでした。控えめに言って無理でした。ごめんなさい。

シュールストレミングを美味しく食べる方法

そのままパクパク食べるものではなく、現地では茹でたジャガイモに乗せたり、チーズや刻んだタマネギなどと一緒にパンへ乗せて食べるそうです。とはいえ、何かを乗せて食べても臭いは強烈で攻略するのは容易ではありません。

先人達の試行錯誤の結果を教えてもらい、とにかくショウガをいれとけとアドバイスを受けました。他のハーブや香味野菜、ブレスケアじゃ効果はほぼないとのこと。

それでは実食。

普通に食べれます。ちょっと臭い。でも食べれます。しょっぱい魚系の何かでうま味は確かに強いですね。確かに味はそこそこ。そしてショウガの効果がすごい。

ショウガ自体、青魚の薬味としてよく使われていて臭み消しに効果があるというのは知っていましたが、シュールストレミングにも効果を発揮するのは正直驚きでした。ショウガは自分でおろしたものでも市販のチューブタイプでも同様の効果が得られるので、シュールストレミングを開けるときは絶対に用意しましょう。

缶詰を名乗れない缶詰

シュールストレミングは世界一臭い缶詰と紹介されていますが、日本の法律では、缶詰は密閉後に加熱殺菌されたものが缶詰を名乗ることができます。そのため、シュールストレミングは日本では缶詰を名乗れません。

見た目は缶詰なのに、お前なんなんだよってお気持ちです。

腐敗と発酵の境目

腐敗と発酵はどちらも微生物を介した現象です。本質的には同じで人間の都合で呼び分けます。

こんだけ臭かったら腐敗だろって思うところですが、シュールストレミングは発酵のようです。

この強烈な臭いは菌の代謝物なのですが、酸素のない系だとこういった臭いがします。例えば腸内だったりヘドロだったり酸素のない場所では本能を刺激するくらい嫌な臭いがします。

酸素がないというと、ボツリヌス菌はどうなのよって思われますが、シュールストレミングで食中毒を起こしたという話を聞いたことがありません。ボツリヌス菌が増殖しない塩濃度なのか、他の菌がいるからボツリヌス菌が優位にならないのか詳細は不明ですが、抑え込めているというのはすごいなと思います。

というか、食中毒がそんなに起きていたら製法が禁止されてるでしょう。

ちなみに食べた翌日くらいからオナラや便の臭いがシュールストレミングに寄っている感じがします。発酵食品の整腸作用の一つなのかわかりません。

おわりに

シュールストレミングはものすごく臭い食べ物です。しかし、ショウガを使えば臭みはほとんど抑えられ、容易に食べれれます。味は臭いからは想像できませんが、普通に美味しい魚の加工品といった感じです。

人生の経験として一度は食べてみてはいかがでしょうか。

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