ちょっとした一手間で劇的に美味しくなります。
はじめに
料理は食材を調理することで、素材単体からは想像できないくらい美味しい仕上がりとなります。調理の前に下ごしらえの段階で仕込むと美味しくなる食材もあり、方法は食材によって様々です。
キノコは干すと美味しくなることが広く知られています。乾燥させたシイタケなんかは、煮物にするとものすごくいい出汁が出るのは皆さんご存じでしょう。干す以外にもうま味が増す方法があります。それは冷凍させることです。
凍らせると美味しくなる理由
キノコのうまみ成分はグアニル酸です。この物質は、細胞に含まれる核酸が酵素によって分解することで生成します。そのため細胞を壊すことがうまみ成分増加につながります。
冷凍することで水分が氷になりキノコの細胞を破壊します。解凍することで細胞内に含まれていた核酸や酵素が細胞外へ出て混ざり合い核酸の分解が行われてグアニル酸が生成するわけです。
ちなみに冷凍が優れている点は、食感がほとんど変わらない点です。生の物をそのまま冷凍させればいいので、難しいことは何一つありません。
特にうまくなるキノコ
シイタケ、マッシュルーム、シメジ、マイタケは、文献値では生の物を加熱した場合に比べ、冷凍してから調理した場合、うま味のグアニル酸は倍以上になります。
一方でエリンギやマツタケはそこまでうま味は上昇しません。
すべてのキノコで効果があるわけではないので注意が必要です。
我が家のキノコ運用法
小分けにして冷凍庫に入れて置くと便利です。ただのビニル袋に入れて冷凍すると、冷凍庫のニオイがつきやすいので、ジップロックに入れましょう。そうすればジップロックも汚れずに済むので何度も使えます。
マイタケやシメジは常に冷凍庫に在庫があるようにしていて、味噌汁や炒め物として使っています。キノコはちょっと加えるだけでもすごく美味しくなるので重宝しています。
おわりに
キノコは細胞膜を破壊することで美味しくなります。壊す手段はあまり関係なく、干しても潰してもなんでも大丈夫です。
キノコは冷凍させても食味が変わらないので、生のまま冷凍させても大丈夫です。我が家ではそうやって冷凍させたものを様々な料理に使っています。保存も効くようになるので、ぜひお試しください。
参考文献
日本食生活学会誌, Vol.17, No.3(2006), 57-64
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