牛すじの調理法

下ごしらえを紹介します。

目次

はじめに

牛すじはコラーゲンを多く含むため加熱すると半分程に収縮します。そのため短時間の加熱では非常に硬くなってしまい食べれません。しかし、長時間加熱するとコラーゲンは水に溶けていき、冷ますとよくプルプルの状態に変化するのは皆さんご存じでしょう。

今回は圧力鍋を用いた牛すじの下ごしらえを紹介します。

加熱時間

牛すじはコラーゲンを軟化させるのに長時間の加熱が必要です。普通の鍋では、100℃で4時間くらい煮込むとプルプルで柔らかく美味しい牛すじになります。この長過ぎる調理時間を短くするには圧力鍋を使うしかありません。

すごく乱暴な言い方になりますが、10℃上げれば速度は2倍になります。これ通りに反応速度が変わったとすると、圧力鍋で120℃の調理をした場合、100℃の調理時間の1/4になります。

圧力鍋も用いれば加熱時間は1/4程になるので、1時間程度加熱すれば柔らかくなるという訳です。

牛すじの調理工程

大まかな工程は次のとおりです。

1.お湯にくぐらせて表面を洗う
2.表面をよく洗う
3.切る
4.出汁を加えて圧力鍋で調理する

こんな感じです。アクは旨味も同時に取ってしまうため、アク取り不要です。それでは写真付きで工程を紹介します。

生の状態はこちら。これにお湯を注ぎ表面の汚れや油を落とします。

加熱後はいわゆるアクでこれくらい濁ります

水で表面についたアクの残骸を洗いてから細かく切って圧力鍋に入れて煮ます。

今回のロットは出汁醤油を加えて和風の出汁としています。濃度は塩濃度で1%を目安にしているので参考までに。高圧(120℃)50分の加熱でこうなります。

牛すじの出汁とだし醤油が合わさってめちゃくちゃ美味しくなります。アク取りはしてませんが、スープは透き通っており、アク取りせずとも長時間の加熱で濁りは消えます。

出汁醤油を加えないで肉だけを煮ても大丈夫です。その場合も水にうま味が溶けだしているので捨てずに他の料理に利用しましょう。

牛すじやスープの保存

スープはコラーゲンがほどけゼラチンが溶けています。冷やせば固まるので他の容器や袋に移し替えるのが楽です。冷凍させればしばらく持ちますし、出汁のかわりにもなるので用途は様々でしょう。

牛すじも冷凍すれば長期間持ちます。柔らかくなっているのですぐに調理できるのが利点です。

おわりに

牛すじは仕込みが大変というイメージがありますが、圧力鍋を使えば簡単に調理できます。電気式の圧力鍋であれば火加減のコントロールも不要で炊飯器の延長として使えます。

安い牛すじが手に入ったら圧力鍋で一気に仕込んで冷凍してしまいましょう。

参考文献等

http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail552lite.html

新版 料理学, 1994, 72-73

日本醸造協会誌, Vol. 98(2001), 526-534

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