コオロギを食べる前にやること

SDGsのためにできることは昆虫食ではなく住宅の断熱です。

目次

はじめに

日本は高度経済成長期の公害やオイルショックを経て環境問題や省エネ化にいち早く取り組んできました。身近な例だと車の排ガス規制やインバーター付きのエアコン、ペットボトルのリサイクルなど、日常の中で多くの問題に取り組んでいます。

近年話題なのがSDGsと呼ばれる標語です。これは持続発展可能な開発目標ということで17の目標が設定されています。しかし、注目を集めているのは脱炭素に関連する目標ばかりで、1番目の貧困をなくす、2番目の飢餓をゼロには忘れ去られています。

時折ニュースを見ていると昆虫食が話題にあがります。ほとんどの方が見聞きしたことのある話題でしょう。なんで虫をと思われますが、食肉を得るための畜産は糞尿の環境負荷や排出される温室効果ガスが問題です。また、気候変動、異常気象によって畜産に影響を受け、安定的にタンパク質を生産できない恐れもあります。これらの理由から畜産による食肉以外のタンパク源が求められ、飼育の用意な昆虫が注目されるわけです。

まぁ単純に環境のためにコオロギを食べる前にやること他にもあるじゃねーかって話です。具体的には断熱性の高い窓にしましょう。高いけどQOL爆上がり間違いなし。

日本の二酸化炭素排出量とこれからできること

世界の二酸化炭素排出量に占める日本の割合をご存じでしょうか。全国地球温暖化防止活動推進センターの資料によると2019年のデータで3.2%です。世界で3位の経済大国の数字なんで意外と少ないといった印象を受けます。

それもそのはずで個人が行えることはほとんどやり切った感があります。日常的に使うことの多い製品は次のような省エネ化が行われています。

・自動車の低燃費化
・エアコンのインバーター制御
・ディスプレイの液晶化
・照明のLED化

自動車のような重たい物を動かす製品やエアコンのような熱を扱う製品はエネルギー消費も大きいものです。省エネ化すれば効果も大きく、使用頻度の高い製品なら更に良いという形です。消費電力や燃費は目や金額で見えやすく、費用対効果がすぐに分かるのが利点と言えます。

省エネ化をやり切ってもうやることが全く残っていないわけではありません。大きな課題が一つ残っています。

それが住宅の断熱です。特に窓の断熱はまだまだ進んでいません。

実はヤバイ日本の住宅事情

徒然草には、夏をもって旨とすべしという格言が登場します。日本の夏は高温多湿なため、風通しを良くしなさいということです。エアコンが普及する以前の家屋では、部屋の仕切りが襖や障子の引き戸で断熱性能を考慮していないものでした。

開ければ風抜けるため高温多湿な夏に真価を発揮することでしょう。こんな状態なんで窓も断熱は考慮されず安価なアルミサッシとガラスの窓が一般的な物となりました。

時代が変わり昭和の後期になるとエアコンが普及します。エアコンを使うと熱を逃がしにくい住宅や間取りが求められるようになっていきます。住宅の熱がどこから逃げるのか試算した結果が色々なところから公開されていますが、窓から熱の5割前後の熱が逃げていくと言われています。

実際に窓際は寒く、多くの方が冬場の窓際の底冷えを経験しているでしょう。

では何で高断熱の住宅が普及しないかというと、高断熱の住宅を体験したことがないからではないでしょうか。私自身、住むまで知りませんでしたし、そもそも冬は寒く、夏は暑いもので住宅の断熱性能ってそんなに効果あるのって思ってました。

高断熱の窓の実力

高断熱の窓は、サッシが樹脂製で窓がガラスで空気を挟んだLow-E複層ガラスと呼ばれるものです。

良い点は、2点。シンプルに寒くない、結露しない点です。冬場の結露対策を全くしなくて済むので楽。そして断熱性能が高いため、底冷えを一切感じなくなりました。

悪い点は、あまりありませんが、あえて言うなら2点。熱割れのリスクと高価な点です。熱割れは温度差によって起こります。防ぐ手段はなく、一定の確率で起こるものと言われています。その確率は、メーカーの営業さんが口頭で言っていたのが0.1%前後の低確率だったと記憶しています。あと、単純に高いです。割れたら修理に10万弱。

実際に交換してからの感想は、もっと早く入れるべきでした、です。マジで寒かった窓際が寒くなく、冬場の底冷えisどこ、もう快適すぎて元も生活に戻れません。熱割れのリスクがある、交換費用が高い、リスクよりメリットが大きいので導入して大正解でした。

一度使ったら高断熱の窓じゃない家には住めません。マジで。

昆虫食の可能性

昆虫食をやる前に住宅の断熱をなんとかせい、という話ですが昆虫食にも触れておきます。

昆虫食は日本でも古くからある文化で、長野などの山間部ではイナゴやハチノコがタンパク源として重宝されてきました。味もよく、イナゴの佃煮は昆虫とは思えない仕上がりです。

近年、食料危機や温室効果ガス削減のため、昆虫食が研究されています。現在は環境負荷が少ないから食べて貢献、みたいなノリで色々な商品でコオロギを使った製品が販売されています。

正直なところ、私とコオロギの相性がよくないので美味しいとは感じませんでした。まわりでもコオロギはイマイチという声を聴くくらいなのでどうして製品化まで行けたのか疑問です。

コオロギ以外なら美味しい昆虫はいくつもあるので、生産技術の確立や美味しい調理法の確立が必要でまだまだ発展途中のものと思われます。それだけに最初が残念だと次に響くので美味しい製品を出してほしいところです。

昆虫食は無理して食べるものではありません。今のところ他に食べるものは沢山ありますしね。美味しい昆虫食の登場を待つ段階です。

おわりに

日本は環境問題に長年取り組んできました。その結果、やれることはほとんどやりきり、最後に残っているのが住宅の断熱と言われるくらいです。

環境対策やSDGsのためにできることは、昆虫食ではなく高断熱の窓にすることです。昆虫食は住宅の断熱化が進み、美味しい物が販売されるようになってから考えましょう。

断熱窓がどういうものなのかこちらからチラっと見てみてください。

参考資料

全国地球温暖化防止活動推進センター データで見る温室効果ガス排出量

YKK AP 樹脂窓の歴史

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