四日市の伝統工芸品の萬古焼と鉄の鋳物の蓋を組み合わせた新しいタイプの土鍋です。火加減や慣れは不要、初見でも簡単に美味しいごはんを炊くことができます。
はじめに
もっとも美味しいごはんの炊き方をご存じでしょうか。それは土鍋で炊いたものです。しかし、土鍋での炊飯は火加減の調整が必要でちゃんと作れるまでに慣れが必要です。
今回紹介するbest pot(ベストポット)は土鍋の難点であった火加減を不要にする新しいタイプの土鍋になります。
独特な形状は保温性を高める効果があり、土鍋を沸騰させ火を止めて蒸らすだけでごはんを炊き上げることが可能です。火加減や土鍋を扱う経験が不要となるため、初心者でも簡単に激ウマの土鍋ご飯を作ることができます。
best pot(ベストポット)について
best pot(ベストポット)は三重県四日市で生産が盛んな焼き物、萬古焼と鋳物の鉄製の蓋を組みわせた鍋です。
保温性を高める工夫が随所に施されており、火を止めてもゆっくりと温度が下がるため、保温調理や無水調理といった調理が行えます。
外観が特徴的かつ丸みのある形状は見ていてとても綺麗。
ひっくり返すとこんな感じです。羽の形状が独特で空気の層を持たせることで保温性を高めています。
蓋は土鍋と蓋が隙間なく収まるように加工されております。削りは航空宇宙産業で培われた精密加工技術を得意とする企業によって施されています。
蓋は蓄熱性の高い鉄の鋳物で蓋の裏面にはフィボナッチ数を模した突起があります。
高い保温性を得るために様々な凝った工夫がされていてデザインも良い製品です。ラインナップは4種類の大きさと7種類の色が用意されているので見移りしてしまいます。
国産の伝統工芸、精密加工を施した製品なので地方を応援するという意味でもbest pot(ベストポット)は素敵な製品だなと思います。
best pot(ベストポット)保温性能の確認
保温性についてデータを取ってみました。同量の水を加え、沸騰したら火を止めて20分間放置(後述するごはんを炊くレシピ)したときの温度変化をbest pot、ステン片手鍋、土鍋で比べてました。
温度計の分解能が高くないのでちょっとグラフはガタついたりしていますがご了承ください。
best pot(ベストポット)は火を止めて5分間もの間、100℃を保持しています。その後、ゆっくりと温度は下がり20分後には84℃となりました。一方で片手鍋や土鍋は同じような変化をし、火を止めて2、3分で温度が下がり始めて20分後には73℃となりました。
best pot(ベストポット)の保温効果の高さが垣間見えます。
使用前の前処理
陶器で出来た土鍋などの製品は、土が粗く吸水性があったりします。通常、こういった製品は使用する前に目止めと呼ばれる処理を施しシミや汚れを防ぐことが必要です。
一方で磁器は吸水性がないため目止めは必要ありません。
best pot(ベストポット)は半磁器なのでどちらの性質もあわせ持っていますがほとんど吸水性はないので目止めは不要と思われます。米のとぎ汁や片栗粉や小麦粉などを用いてがっつりやるのではなく、米を数回炊けば十分でしょう。
best pot(ベストポット)でごはんを炊く方法
それではごはんを炊いてみます。炊き方は次の通りです。
1.米を洗いザルにあげて20分置く
2.best pot(ベストポット)に米を移して水を入れ30分置く
3.強火で加熱して吹きこぼれたら火を止め20分蒸らし完成
米は2合分。使う水は400mLです。これは本体付属のレシピ本に書いてある通りになります。
吹きこぼれは盛大にやらかす感じではありません。土鍋と蓋がよく締まっているので一部からブクブク出てくる程度です。
吹きこぼれ始めたら濡れタオルや濡らしたキッチンペーパーを被せれば収まります。使い慣れてくれば予兆がわかるのでこうなる前に火を止めることも可能です。
炊きあがりは米が立っています。
さて、その味ですが、めちゃくちゃ美味しい。正直なところあまり期待していなかったのですが、予想以上に甘くて美味しく仕上がります。
しかも操作がめちゃくちゃ簡単で初見でこんなに上手に炊けるとは思いませんでした。火加減の調整不要で本当に美味しくごはんを炊くことができます。
炊き込みごはん
出汁を使う和風の炊込みごはんも簡単に作れます。炊くだけならごはんのレシピと同じですが、おこげを作る場合はちょっと異なります。
おこげをつくるためには吹きこぼれたら火を弱火にして10分程度加熱する必要があります。
火加減が強すぎたり加熱時間が長すぎると焦げてしまうのでちょっと難しいところ。この辺は慣れが必要になってきます。
慣れてくればパエリアやビリヤニも作ることは可能です。
炊きあがりは見ごたえもあるのでパーティには最適でしょう。
他にも無水調理で野菜のうまみを逃がさない料理をしたり、保温機能を活かしたスープのような温かい料理など、この鍋を使えば様々な料理が作れます。
詳しくは公式レシピをご覧いただけたらと思います。
外部リンク:bestpot レシピ&ブログ
best pot(ベストポット)の実際の使用感
ぶっちゃけどうなのよって感想をつらつら書きます。
ネットで評判や口コミを書いてもいいことしか書いてないところも多いので悪いところもしっかり描きます。
まず、悪いところ。
重い。そんでもって焼き物なので割れるのが怖い。特に小さなお子様とかやんちゃな子がいてひっくり返されて壊されたらと思うとかなり怖いです。
あと、結構焦げ付く。炊き込みごはん系の料理ではおこげを上手く作りたくてちょっと加熱しすぎたら焦げてたなんてことが何度か。通常の炊飯であれば焦げ付くことも土鍋の中にくっついて取れないこともないのでご心配なく。
焦げた場合はメラミンスポンジで根気よくこすると落ちます。メラミンスポンジなら程よい硬さで土鍋の材質よりもモース硬度が低いため傷はつきません。
それからいいところ。
やっぱり美味しいごはんが炊けるところかな。しかも超簡単に。これは過大広告でじゃなく本当だった。それから形が結構かわいくて好き。羽も持ちやすいですしね。
高級な炊飯器よりも安いし、本気で毎日土鍋で炊いた美味しいごはんを食べたいなら買って損はないでしょう。
あと、一番いいところは国内の伝統工芸と精密加工を組み合わせて地方を盛り上げようとしてるところもいいですね。伝統工芸と聞くと古臭いイメージがありますが、best potは形状も現代的でとてもかわいいので伝統工芸品には見えません。
おわりに
斬新な形状の土鍋のベストポットは火加減を細かく調整することなく美味しいごはんを簡単に炊くことができます。また、保温性が高くゆっくりと温度が下がるため、保温調理器のような使い方もできます。
綺麗な丸みのあるフォルムはとてもかわいいので、best potを囲って食事をすれば写真映えも狙えるでしょう。
以前はIH非対応でしたが、IH対応モデルも開発され販売されています。
アマゾンや楽天でも購入できますが、サイズや色の選択がいまいちなので公式サイトから購入するのをおすすめします。
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