下ごしらえを紹介します。
はじめに
牛すじはコラーゲンを多く含むため加熱すると60%程収縮します。そのため短時間の加熱では非常に硬くなってしまい食べれません。
でも長時間加熱すると水に溶けていきよく知られているプルプルの状態に変化します。
加熱時間
100℃で4時間くらい煮込むとプルプルで柔らかく美味しい牛すじになります。この長過ぎる調理時間を短くするには圧力鍋を使うしかありません。
すごく乱暴な言い方で言われている10℃上げれば速度は2倍になる。これ通りに反応速度が変わったとすると、圧力鍋で120℃の調理をした場合、100℃の調理時間の1/4になります。
圧力鍋では高圧で50分も煮込めばプルプルのいわゆる牛すじになります。
牛すじの調理工程
大まかな工程は次のとおりです。
1.お湯にくぐらせて表面を洗う
2.表面をよく洗う
3.切る
4.出汁を加えて圧力鍋で調理する
こんな感じです。アクは旨味も同時に取ってしまうため、アク取り不要です。それでは写真付きで工程を紹介します。
5分くらいお湯にくぐらせます。
加熱後はアクで濁ります。これは捨ててしまいましょう。
肉を取り出して細く切ります。
圧力鍋に入れて煮ます。だし醤油を希釈していれます。目安は塩濃度で1%くらい。ボトル規定の希釈でもOKです。
高圧(120℃)50分の加熱でこうなります。
牛すじの出汁とだし醤油が合わさってめちゃくちゃ美味しくなります。アク取りはしてませんが、スープは透き通っており、アク取りせずとも長時間の加熱で濁りは消えます。
牛すじやスープの保存
スープはコラーゲンがほどけゼラチンが溶けています。なので温度が下がると固まります。これがとても扱いやすくて便利です。固体に近いので保存や計量が楽。タッパーに入れても漏れません。
通常の加熱では芽胞菌の問題もありますが、圧力鍋を使用しているので大丈夫でしょう。冷凍保存するなりすればかなり持ちます。牛すじなんかは冷凍保存しておけば他の料理にすぐ使えます。
おわりに
牛すじは仕込みが大変というイメージがありますが、圧力鍋を使えば簡単に調理できます。電気式の圧力鍋であれば火加減のコントロールも不要で炊飯器の延長として使えます。
安い牛すじが手に入ったら圧力鍋で一気に仕込んで冷凍してしまいましょう。
参考文献等
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail552lite.html
新版 料理学, 1994, 72-73
日本醸造協会誌, Vol. 98(2001), 526-534
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