お茶をいれる温度と時間をアレニウスの式で整理してみた

温度と時間の関係を整理して任意の温度で水出しに必要な時間や蒸らし時間を求めます。

はじめに

お茶はいれる温度、蒸す時間によって味が変わります。

一般的には高温ほどいれる時間は短く、低温ほど長くなります。また、いれる時間が短いほうが甘く、長くなると苦味が増します。人によって甘いお茶が好きって人もいたり、渋い濃いお茶が好きという方も色々です。

いれる時間の目安はパッケージなんかには目安が書いてあったりします。経験的にこのくらいかなというのを会得してる人もいると思いますが、それを今回は解析して求めてみます。

お茶をいれる操作

お茶をいれるということは、水という溶媒に有効成分を抽出させる溶媒抽出になります。温度をあげると短い時間でお茶がはいることから、温度依存性があることは明らかです。

従ってアレニウスの式による解析が可能と考えられます。

アレニウスの式

ちょっと小難しいので飛ばしてしまっても構いません。内容は高校数学の範囲内です。

アレニウスの式は、100年くらい前の偉大な科学者アレニウスが自身の経験をもとに化学反応の温度と時間の関係を整理した次式に表されるものになります。

反応速度係数k=頻度因子A×e^(-活性化エネルギーE/気体乗数R温度T)

このままではわけがわからないのでy=ax+bの形にしましょう。

両辺を対数にすると次式のようになります。

lnk=-E/RT+lnA

lnkをy、E/Rをa、1/Tをx、lnA=b

とするとy=ax+bの形になります。

後は実験で求めた値をグラフに書くだけで活性化エネルギーと頻度因子を求めることができます。

お茶の抽出速度の測定法

甘味と渋みを官能試験を真似て数値化することにします。具体的には、一定時間ごとにお茶を口に含み感じた濃度がどのくらい増加するのか、舌を使っておおよその数値化を行います。

温度は10、30、90℃の3点としました。

使用したものは次の通りです。

茶葉   市販品  4g
水    水道水  180ml
温度計  市販品  ±1℃程度のもの
急須   ハリオ  180ml

結果

10℃で入れたお茶の時間と味の濃さの関係を図に示します。味の強さの増加量は時間毎に一定の割合で増えていることから0次反応です。

最も美味しく感じた時間の実測値は、次の表の通りとなりました。このデータをもとにアレニウスの式を用いた解析に移ります。

温度
(℃)
甘いお茶になる時間
(分)
渋いお茶になる時間
(分)
102040
301030
9028

アレニウスの式を用いた解析

先ほど測定したお茶をいれる時間から、反応速度を出します。変化量を時間で割ればでるのでさほど難しくありません。

出た値をlnにして温度の逆数でプロットしたのが次のグラフになります。図には近似曲線から求めた活性化エネルギーと頻度因子を記載しています。右肩下がりの直線が得られてました。

お茶をいれる温度と時間の関係

先程出した式に温度を入れて解くだけで反応速度係数が求まります。あとは0次反応の式に数字を入れて解くだけで時間を求めることができます。詳細な計算過程は省きますが、温度と時間の関係を次の図にしてみました。

実実測値と計算値に大きな差はありません。任意の温度で必要な時間の目安として使えそうです。

おわりに

アレニウスの式を使ってお茶をいれる時間を解析してみました。抽出した成分の測定とか計算はかなり雑ですが、高価な測定機器を使わずに出せる数字としては十分でしょう。

アレニウスの式は応用することで何年もかかる寿命の測定をすることもできます。これはそのうち別記事にしようかと思います。